女性ホルモンが関係する病気は、子宮や卵巣の病気だけではありません!
女性ホルモンは便秘に関係?
便秘は男性よりも女性に多いと言われています。
これは、女性のほうが
便を出す筋力が弱いことなども原因のひとつですが、
女性ホルモンが便秘の原因を作っているんです。
女性ホルモンには、卵胞ホルモンであるエストロゲンと
黄体ホルモンであるプロゲステロンの2種類があります。
エストロゲンは女性らしい体つきに影響を及ぼすホルモンで、
プロゲステロンは妊娠・出産に大きく関わるホルモンです。
便秘の原因を作っているのは、
2種類ある女性ホルモンのうちプロゲステロンです。
生理前は毎回便秘になるという人はいませんか?
これは、プロゲステロンのせいなんです。
排卵日から生理までの約2週間は、
体内でプロゲステロンの分泌が増加します。
生理への準備ですね。
プロゲステロンが増えると、
腸の蠕動運動が弱まってしまい、便秘になるのです。
女性ホルモンは糖尿病に関係?
糖尿病は、生活習慣病ですが、
中年以降の男性に多いというイメージがあると思います。
でも、50歳以降は女性も要注意です。
女性は50歳前後で閉経を迎えますが、
閉経前から徐々にエストロゲンが減少し、
閉経後は急激に少なくなります。
男性は内臓周囲に脂肪が蓄積しやすく(内臓脂肪)、
女性は皮下脂肪が蓄積しやすいと言われていますよね。
これは、エストロゲンの働きによるものです。
内臓脂肪が蓄積すると
メタボリックシンドロームのリスクが高まりますので、
糖尿病になりやすいのです。
閉経後の女性はエストロゲンの分泌が少ないですので、
過剰なエネルギーは皮下脂肪ではなく、
男性と同様に内臓脂肪として体内に蓄積し、
糖尿病のリスクが高まります。
閉経前までは健康診断でも
血糖値やHbA1cが高いという指摘は
受けたことがなかったのに、
閉経後にいきなり糖尿病と診断されたという人も
珍しくありません。
女性ホルモンは花粉症に関係?
いまや国民病のひとつとも言える花粉症ですが、
花粉症の原因は免疫機能が花粉を異物とみなし、
体外へ排出しようとしてアレルギー反応を引き起こすことです。
女性ホルモンは、この免疫機能にも関係しています。
エストロゲンは免疫反応による炎症を抑制しますが、
抗体産生は促進します。
また、プロゲステロンは免疫機能を抑制することが
知られています。
実際に妊娠中は、
それまでと女性ホルモンのバランスが大きく異なるため、
花粉症が一気に悪化したというケースも多いんです。
妊娠中でなくても、
女性ホルモンのバランスがちょっとでも崩れれば、
花粉症やアトピーなどのアレルギー症状が
一気に悪化する可能性があります。
女性ホルモンは、妊娠・出産や子宮系の病気だけでなく、
全身に大きな影響を及ぼすホルモンなんです。
健康的で規則正しい生活を送って、
女性ホルモンのバランスを保つようにしましょう。