不健康な食事に規制や課税が?不健康な食事は健康にどのような悪影響を及ぼすのでしょう?
不健康な食事に課税?
5月19日に開かれた世界保健機関(WHO)の総会で、
国連の食料問題担当である
オリビエ・デシューター特別報告官は、
「不健康な食事は現在、タバコよりも大きな脅威となっている。
世界がタバコの規制で団結したように、
適切な食事に関する大胆な枠組み条約の合意が必要だ」と訴え、
不健康な食事はタバコより健康へのリスクが高く、
課税するなど早急に対策を取るべきだと提言しています。
より良い食事を促進し肥満と闘うには、
それを支える制度が正しく機能すべきだとしていますが、
その制度について、
不健康な食事への課税や飽和脂肪酸や塩分、
糖分の高い食品の規制、
ジャンクフード広告の取り締まりなどが含まれると
以前に述べています。
近い将来、現在のタバコのように
不健康な食事に税金がかかったり、
ジャンクフードのパッケージに
健康への悪影響が出ることを大きく掲載されるように
なるのかもしれませんね。
飽和脂肪酸を取り過ぎると?
では、規制を提言された飽和脂肪酸や塩分、
糖分を取り過ぎると健康に
どのような悪影響が出るのでしょう?
まずは飽和脂肪酸からです。
飽和脂肪酸とは、ラードやバター、肉類、
乳製品などに多く含まれている脂質の材料です。
飽和脂肪酸は体内で固まりやすいため、
血液の流れを悪くしてしまい、
いわゆる「ドロドロ血液」を作り出します。
また、中性脂肪や悪玉コレステロールの合成を
促進する作用がありますので、動脈硬化の原因となります。
ドロドロの血液を作り出し、動脈硬化が進行すると、
心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まります。
また、脂質はカロリーが高いですので、
飽和脂肪酸は肥満の原因にもなります。
塩分を取り過ぎると?
塩分を取り過ぎるとどうなるのでしょう?
塩分の取り過ぎは、
体内でのナトリウムを増加させることになります。
ナトリウムは、水分を体内に溜め込む作用がありますので、
血液量が増加して、高血圧になります。
また、体内の水分量が増えますので、
むくみの原因にもなります。
さらに、過剰なナトリウムを体外へ排泄しようとして、
濾過機能を持つ腎臓はフル回転で働き続けることになり、
腎臓に負担をかけてしまいます。
この状態が長く続くと、腎不全など腎臓疾患を引き起こします。
糖分を取り過ぎると?
糖分の取り過ぎは、肥満を引き起こしますよね。
このほかに、
糖尿病の原因になることは皆さんご存知だと思います。
肥満や糖尿病以外にも、
糖分を取り過ぎると体内のたんぱく質と結合し、
「糖化」を引き起こします。
糖化が起こると、AGEs(糖化最終生成物)が作られます。
このAGEsは、血液をドロドロにしますので
動脈硬化を引き起こしますし、
老化の原因物質ですので骨や皮膚の老化を促進するのです。
不健康な食事への規制や課税は、
少しやりすぎでは?と思うかもしれませんが、
飽和脂肪酸、塩分、糖分にそれぞれ
これだけ健康への悪影響がありますので、
タバコのように規制・課税すべきという考えも
当然なのかもしれません。
規制・課税が行われなくても、
これらの不健康な食事はできるだけ避けるように
していきたいですね。