ピロリ菌を退治して胃がんリスクを大幅ダウン。胃・十二指腸潰瘍の再発防止にも。
ピロリ菌保菌者は重大なリスクを抱えている
胃がんの原因になるので、
除菌をすればリスクが減るらしい、
というところまでは、なんとなく知っているピロリ菌。
しかし、どこか他人事なのか、
それとも若干緊張感に欠ける名前のせいなのか、
深刻にとらえている人はまだまだ少ないのが現状です。
「50歳以上の約80%が保菌者」
「保菌者の胃がんリスクは5倍以上」
「胃がん患者の98%がピロリ菌保菌者」(!!)
といった数字が示す事実と、ピロリ菌の除菌を受ける
ことによっていかに快適に過ごせるかを、
もっと啓発する必要があるのかも知れません。
胃疾患につながるピロリ菌の生態とは
正式名を「ヘリコバクター・ピロリ」という
この菌が発見されたのが1983年、
胃疾患との関係が発表されたのは1990年代のことです。
認識されてからまだ歴史は浅いのですが、その後、
精力的に研究が進められ、その生態や影響、
そして駆除の方法が解明されました。
胃の中は非常に強い酸性で、細菌が生息できる環境とは
考えづらかったのですが、ピロリ菌は生命力が強く、
胃粘膜の内側にもぐりこんで胃酸の影響から
逃れていることがわかりました。
その上、自らウレアーゼという酵素を出して
胃粘膜の成分を分解し、強アルカリ性のアンモニアを
作り出して胃酸と中和させています。
この分解酵素ウレアーゼや、
同時に発生させる多くの毒素で、胃粘膜に悪さをし、
胃・十二指腸潰瘍、萎縮性胃炎、胃がんなどの
重大な疾患を引き起こしていると考えられています。
慢性胃炎でのピロリ菌除菌が健康保険適用に
日本では2000年に健康保険が適用された
ピロリ菌の除菌治療ですが、
これまでは胃・十二指腸潰瘍などの患者に限定されていました。
2013年2月からは、慢性胃炎の患者にも
適用されることとなり、効果が期待されます。
ただし、内視鏡検査を受けて診断された
慢性胃炎であることが条件ですので、
まだまだ敬遠する人がいるかもしれませんね。
普段から心がけたい、食品によるピロリ菌対策
ヨーグルトにはピロリ菌抑制効果があることが知られていますが
中でもLG21乳酸菌の抑制効果は高く、
保菌者に対する試験では、1日2回8週間の摂取後、
ピロリ菌の数が平均1/10になっていました。
LG21の摂取で、除菌治療の成功率も高まることが
わかっています。
食品では、他に緑茶やココア、マヌカハニー、
ブロッコリースプラウト、わさびなどが、
ピロリ菌抑制の働きを持つといわれています。
普通に手に入り、食べやすい食品ばかりですから、
日々の食事に積極的に取り入れましょう。