それ、本当に水虫ですか?市販の水虫薬を自己判断で使うのは危険です!
「水虫」のイメージどおりの症状に注意
足の指がかゆい、水疱ができて潰れたり皮がむけたりする、
指の股がジュクジュクとただれている…。
こんな症状は、水虫薬のテレビCMなどで見る
水虫のイメージそのもので、ついつい水虫にかかったと
判断してしまいそうです。
しかし、このような症状が出ても、
実際に水虫であるのは半数ほど。
水虫によく似た症状が出る皮膚のトラブルは何種類もあり
間違った手当てによって長引かせてしまうことがあります。
特に、水虫薬は特殊な成分を使っているため、
水虫でない皮膚炎に使用してしまうと、
かぶれなどを起こして悪化させてしまうのです。
水虫に似た病気はこんなにある
特徴的な小さな水疱ができて、かゆみを生じる代表的な
皮膚の病気としては「異汗性湿疹」が挙げられます。
「汗疱(かんぽう)」とも言い、足の裏やてのひらにかく汗が
体外に出ず、湿疹を誘発するものですが、
詳しいメカニズムは解明されていません。
初夏の発症が多く、両手両足の指に
同時期に発症することもあります。
治療には、尿素配合の保湿クリーム、
重症の場合はステロイド剤や塩化アルミニウム溶液が
有効です。
「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)」は
もう少し深刻な病気で、最初は水疱を生じるのですが、
次第に膿がたまってきて膿疱に変化します。
良くなったり悪くなったりを繰り返し、長期化します。
扁桃腺や歯の炎症、金属アレルギーなどが
ある人に見られやすい病気で、
鎖骨や関節の痛みを伴うことがあります。
他にも、ダニの一種が角質に寄生して水疱をつくる「疥癬」
足指の股の皮がむける「紅色陰癬」、
あらゆる症状が水虫に酷似する「皮膚カンジタ症」など、
間違えやすい病気が多数存在します。
脂漏性湿疹やアトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎なども、
症状が足指に出ると、
水虫と見分けがつきにくいことがあります。
自己判断は避け、早期の受診を
水虫は、正式には「足白癬」という病気で、
カビの一種である白癬菌が、
足の皮膚内で繁殖して起こります。
白癬菌は自然界に多く生息し、
私達の生活圏のありとあらゆる所に存在します。
通常ならば、患部の角質をほんの少量採取して
検査するだけで、水虫かどうかはすぐにわかります。
しかし、事前に市販の水虫薬を使用し始めていると、
検出が困難になる場合もあります。
自己判断で水虫薬を使うことは、
実際に水虫であっても別の皮膚炎であっても、
その治癒を遅らせる原因になりかねないのです。
水虫は、どこにでも存在する菌により、
誰しもがかかる可能性がある病気です。
決して恥ずかしいものではありません。
気になる症状が現れたら、
迷わず皮膚科を受診しましょう。