病気の早期発見・早期治療のために、積極的に健康診断を受けましょう。
人間ドックで「異常なし」はごく少数
日本人間ドック学会が発表した全国集計結果によると、
2012年の人間ドック受診者は約316万人でしたが、
そのうち受診した全項目で「異常なし」と診断されたのは、
たったの7.2%だったことがわかりました。
これは、100人中約93人が
何らかの身体の異常を抱えているということですよね。
この7.2%という数字は、
前年から0.6ポイント減少していて、
1984年の集計開始以降、過去最低を更新しています。
この原因として、受診者の高齢化や生活習慣の悪化、
食生活の欧米化、運動習慣の低下、
診断基準の厳格化などが考えられます。
「異常あり」や「要経過観察」の頻度が高い項目には、
肝機能異常(32.4%)、
高コレステロール血症(31.5%)、肥満(29.3%)、
耐糖能異常(高血糖22.8%)、高血圧(21.9%)
などがあります。
ここで注目すべきは、高コレステロール血症です。
1990年の調査結果では、
高コレステロール血症の異常は8.9%でしたが、
90年代以降に食生活の欧米化が急速に進んだことに伴って
高コレステロール血症の異常も右肩上がりに増加していき、
22年間で22.6ポイントも増えています。
一般健診と人間ドックの違いは?
病気の早期発見・早期治療のために
欠かせない健康診断ですが、
健康診断は一般健診と人間ドックに分けることができます。
一般健診と人間ドックの違いは何でしょう?
一般健診(一般健康診断)は、
法律で毎年受診することを義務付けられている
健康診断のことです。
正社員として働いている人は、雇用先が健康診断を行い、
それ以外の人は自治体が主催する健康診断を受けます。
この一般健診の特徴は、
自治体や雇用先(保険者)が健診の費用を負担するため、
無料または低額の自己負担で受診できるという点です。
ただ、その一方で受診項目は、基本的なもののみになり、
生活習慣病の早期発見はできますが、
がんの早期発見は困難になります。
人間ドックは、自主的に受ける健康診断のことです。
最近は、雇用先によっては
一般健診にオプションという形で
人間ドックを受けることができるケースもあります。
人間ドックの特徴は、基本的な健康診断項目に加えて、
腹部エコーや内視鏡検査なども含まれますので、
身体の異常を詳細に調べることが可能です。
ただ、その分自己負担額が高くなってしまいます。
がんの早期発見のために
一般健診は、費用が安い分、受診項目が限られています。
特に、がんの早期発見に関しては、
あまり期待できないというのが現状です。
日本人の2人に1人ががんになると言われていますし、
現代ではがんは早期治療を行えば、
完治可能になっていますので、
がんの早期発見は非常に重要になります。
そのため、一般健診よりも人間ドックを受けたほうが、
健康維持・増進のためには良いのですが、
費用が高いというデメリットがありますので、
一般健診に加えてオプションという形で
がん検診を受けると良いでしょう。
ただ、このがん検診もむやみやたらに受けるのではなく、
自分の性別や年齢、生活習慣を加味して
選ぶようにして下さいね。