これからの季節、気になる汗の臭いの原因と対策を知りましょう。
人の嗅覚は敏感
アメリカのロックフェラー大学神経遺伝・
行動学研究室の研究チームは、26人の実験参加者に、
128種類のにおい分子から作った混合物の
においを嗅ぎ分けてもらうという実験を行いました。
3つの小瓶に入っているにおいを嗅いで、
その中の1つだけ違うにおいが入った
小瓶を当てるという実験方法で、
実験参加者はこの嗅ぎわけの実験を264回行いました。
この実験の結果から、
平均的な人間が嗅ぎ分けられるにおいの種類は
何種類になるかを推測したところ、
最低でも1兆種類という結論が出たそうです。
このような「人間は何種類のにおいを嗅ぎ分けられるか」
という人間の嗅覚に関する実験は、
1920年代に行われたものしかなく、
そのときの結果で人間の嗅覚は1万種類程度しか
嗅ぎ分けられないとされてきましたが、
今回の実験で従来の1億倍も
人間の嗅覚は敏感で優れていることがわかりました。
1兆種類とは気の遠くなるような種類の多さですが、
人間の嗅覚はとても鋭いんですね。
ワキガの原因は?
気温が上がるこれからの季節、
気になるにおいといえば汗のにおい、特にワキガですよね。
ワキガの原因って何でしょう?
ワキガの原因はアポクリン汗腺からの分泌物です。
脇の下にはアポクリン汗腺がありますが、
アポクリン汗腺から汗が分泌され、
その汗が細菌によって分解されると
嫌な臭いを発するようになります。
アポクリン線の数は生まれた時から決まっていて、
臭いを発しやすいかどうかも遺伝的要素が大きいので、
ワキガかどうかは遺伝によって決まると言えるでしょう。
欧米人は80%がワキガであるのに対し、
日本人は10%程度しかいないと言われています。
また、ワキガとは違いますが、
精神的なストレスからの汗には
乳酸や重炭酸イオンが含まれていて、細菌が分解すると、
嫌な臭いを発しやすいですし、
脇の下を清潔に保っておかないと、菌が繁殖しやすく、
嫌な臭いの原因になります。
ワキガ対策は?
ワキガの嫌な臭いを断つためには、
まず脇の下を清潔に保っておく必要があります。
毎日入浴し身体を洗うのは当然ですが、
汗をかいたら「汗拭きシート」などを用いて、
こまめに汗を拭くようにすることも有効です。
次に、洋服の素材選びも重要なポイントです。
通気性のよい素材(綿や麻)などを選ぶようにすると、
脇の下がべたつかずに、細菌の繁殖を防ぐことができます。
また脇毛も細菌繁殖の温床となりますので、
こまめに剃るか脱毛すると良いでしょう。
最後に、制汗剤の使用です。
最近は、殺菌効果のある制汗剤も出てきていますので、
これを使えば、汗と細菌の繁殖を抑えることができます。
これらの対策をしても、嫌な臭いが無くならないという場合は、
皮膚科を受診して、
本格的に治療を始めてみることをおすすめします。