出産は身体に大きな変化を与えるもの。産後に起こる問題を知りましょう。
産後うつとは?
妊娠・出産は身体に大きな変化が起こる一大イベントです。
身体の変化という点では、
女性にとって人生で一番大きな出来事と言えるでしょう。
新たな命を自分の子宮の中で10ヶ月間育てて、
約3000gの赤ちゃんを出産するのですから、
身体に大きな変化が起こるのは当然ですよね。
ここでは、出産後に起こりやすい身体の問題をご紹介します。
まずは、産後うつです。
産後うつとは、出産後数日から1年の間に
気分が落ち込むなどの抑うつ症状がでたり、
不安や緊張を常に感じていたり、
不眠の症状が出るなど「うつ病」の症状が出ることです。
マタニティブルーは
産後2~3日で情緒不安定や抑うつ症状が出ますが、
10日前後で警戒するのに対し、
産後うつはその症状が長引き、
悪化していくという違いがあります。
マタニティブルーが進行したものが、
産後うつと考えればよいでしょう。
マタニティブルーは30~50%の人がかかるものですので、
決して珍しいものではなく、生理的現象と言えますし、
自然に回復するものですが、
産後うつは放っておくとどんどん悪化しますので、
専門的な治療が必要になります。
産後うつの原因は、
出産による急激なホルモンバランスの変化と
環境の変化が主な原因と言われています。
産後の抜け毛
出産を経験した女性の中には、
産後の抜け毛に悩んだことがある人も多い思います。
「産後脱毛」、「分娩脱毛症」と呼ばれ、
出産後約半数の女性が経験する症状と言われています。
産後脱毛は、出産後3ヶ月ごろから始まり、
6ヶ月ごろには治まる人もいれば、1年以上続く人もいます。
脱毛の程度がひどいと円形脱毛症になる人もいて、
症状の程度や期間は千差万別です。
産後脱毛の原因は、
出産によるホルモンバランスの変化です。
妊娠中は女性ホルモンの働きで抜け毛が極端に減るのですが、
出産後はホルモンバランスが変化して、
妊娠中の分まで一気に抜け毛が増えるのです。
基本的に産後脱毛は自然に治りますが、
症状が深刻な人や不安が大きい人は、育毛剤を用いたり、
皮膚科や産婦人科で相談してみると良いでしょう。
出産は歯にも影響あり
東京医科歯科大学と
国立がん研究センターの共同研究によると、
出産は歯にも影響を与えることがわかりました。
1990年に秋田県の40~59歳の男女に
健康状態や生活習慣を尋ね、
2005年に歯科検診を受けてもらったところ、
出産回数が0回の女性は平均18.6本の歯が残っていたのに対し、
出産回数が2回になると18.3本、3回で16.4本、
4回以上だと15.6本という結果が出ました。
出産回数が多ければ多いほど、
歯の残る本数が少なくなる傾向にあるということです。
これは、出産によるホルモンバランスの変化と
妊娠中に歯科受診を避ける人が多いことが
影響していると考えられています。
歯の残存本数はQOLに大きく関係してきますので、
妊娠中から歯の健康を意識していきたいですね。