夜勤をすると糖尿病やがんに?夜勤の健康上のリスクを知りましょう。
夜勤は睡眠障害に
看護師や介護士など医療職、
介護職についている人や飲食業や工場勤務、
ガードマンの人は、交代制勤務で日中だけでなく
夜も働かなくてはいけないことが多いですよね。
交代制勤務をしていると、
どうしても生活リズムが乱れてしまいます。
今日は日勤で明日は夜勤、その次の日も夜勤となると、
寝る時間はバラバラになりますよね。
夜勤が終わった後、外は快晴なのにカーテンを閉め切って
仮眠をとることもあるでしょう。
交代制勤務の生活を続けていると、
睡眠障害になってしまいます。
夜勤で疲れていてとても眠いのに、
なかなか眠ることができない、寝つきが悪い、
途中で目が覚めてしまうなどの症状が出てきます。
これは、体温が関係しているんです。
私たちは朝から昼にかけて体温が高くなり、
夜から深夜、朝方にかけて体温が下がります。
体温が高い状態で寝ると、眠りが浅くなってしまうんです。
ですから、夜勤後には眠くても眠ることができないんです。
また、日光を浴びる時間が少ないため、
睡眠ホルモンであるメラトニンが
作られにくいことも睡眠障害に関係しています。
夜勤がある交代制勤務をしていると、「眠いのに眠れない」、
「眠りが浅い」などの睡眠障害になってしまうんです。
夜勤で肥満や糖尿病に
夜勤がある交代制勤務をすることで発生する健康上のリスクは、
睡眠障害だけではありません。
肥満や糖尿病になるリスクも上がるんです。
アメリカのハーバード大学の研究チームが、
医学誌のサイエンス・トランスレーショナル・メディシンに
発表した研究によると、人間は体内時計が乱れると、
血糖値を下げるインスリンを分泌する能力が
約30%も減少するのだそうです。
そのため、
この研究に参加した被験者のほとんどが血糖値が上昇し、
糖尿病の一歩手前まで血糖値が上がった人もいたとのこと。
さらに、体の代謝の低下も見られました。
この代謝低下は、体重に換算すると、
1年で4.5キロ以上増えることになるのだそうです。
血糖値が上昇し、さらに1年で4.5キロ以上増えてしまうなんて、
交代制勤務で夜勤をすると健康上のリスクは
非常に高くなるんですね。
夜勤はがんや脳梗塞のリスクがアップ
夜勤をすると、がんのリスクもアップするんです。
2007年にWHO(世界保健機関)の国際がん研究機関は、
夜間交代勤務を「人に対しておそらく発がん性がある」
と判定しています。
タバコは「人に対して発がん性がある」と
最高度の判定をされていますが、
夜間交代勤務はこれに次ぐ強い判定になります。
夜勤で増えることが確認されているがんは乳がんです。
夜間に照明を浴びると、
抗酸化作用や抗腫瘍作用があると言われるメラトニンが減りますし
乳がんのリスクを上げるエストロゲンの分泌が増えるためです。
夜勤をすると、睡眠障害になり、
糖尿病や肥満のリスクが上がり、
さらにはがんのリスクも上がってしまうんです。
でも、健康上のリスクが高いから、
仕事を辞めるというわけにもいきませんよね。
夜勤の弊害をできるだけ少なくするためには、
できるだけ生活リズムを整えて、
しっかり睡眠をとるようにしましょう。
朝起きたら日光を浴びるようにすると、
体内時計がリセットされますので、
睡眠障害が起こりにくくなります。
交代制勤務をしている人は、
健康上のリスクが高いことを知って、
日常の生活習慣をいつも以上に気をつけるようにしましょう。