質の良い睡眠がとれていますか?夜型現代社会の中で、安眠を手に入れるには。
夜型生活が眠りに影響を与える
ひと昔前は、夜の10時といえばもう夜更けでした。
子供達はとっくに床につき、
大人もそろそろ休もうかという時間帯です。
しかし1970年ごろから徐々に夜型化が進み、
今では10時なんてまだまだ宵の口、
といった感じですね。
このぐらいの時間に夕食を摂る人も珍しくないでしょう。
その結果、日本人の平均睡眠時間は、
この50年間で1時間近くも短縮されています。
そればかりでなく、テレビやDVD、パソコン、スマホ、
ゲームなどの普及で、私達は家庭の中でいくらでも
遅い時間まで活動することができます。
眠る直前まで様々な刺激にさらされているため、
入眠に時間がかかったり、眠りが浅い、何度も目が覚める
などの睡眠障害を起こしやすくなっているのです。
なぜ「寝た気がしない」のか
睡眠は、外見的には眠っているようで脳が覚醒状態に
近いレム睡眠と、いわゆる熟睡状態のノンレム睡眠を
約90分の周期で繰り返します。
よく「ストンと眠ってしまう」などといいますが、
本来は、寝付いてすぐに「ストンと」ノンレム状態に入って
脳を休ませることができるのです。
しかし、遅くまでテレビを見ていたり、
寝る直前まで勉強や仕事をしていたりすると、
脳が興奮したままなので、寝入りばなの睡眠の質が
悪くなります。
また、寝る前に何か食べれば、眠っていても
胃腸は働かなければならなくなります。
このように脳や身体が休めていないと、
睡眠時間は確保しているのに寝起きがつらかったり
昼間眠くなったりと、眠りの効率が悪くなってしまいます。
また、「睡眠時無呼吸症候群」の可能性もあります。こ
れは、様々な原因により、ノンレム睡眠の間に
数十回も呼吸が止まる症状で、
酸欠状態になり睡眠が中断するので脳が休まりません。
成人の約3%にこの疑いがありますが、無自覚である
ことも多く、睡眠時に同室になった人に指摘されて
初めて気付くこともしばしばです。
脳や心臓に大きな負担をかけ、
重大な病気にもつながる症状ですので、
毎日のように耐えがたい眠気に襲われる人は、
一度検査を受けた方が良いかもしれません。
8時間睡眠がベストなわけではない
なんとなく睡眠時間は8時間が良いと思い込みがちですが、
適切な睡眠時間は人によってまちまちです。
あまり8時間にこだわると、かえって寝過ぎて
疲れてしまったり、眠れない時に気持ちが焦ったりします。
ノンレム睡眠の割合が長い人は、比較的短時間の睡眠でも
脳や身体を充分休めることができています。
睡眠時間は、あまり短すぎても病気や死亡のリスクが
高まってしまいますが、6時間程度でも、
朝すっきりと目覚め日中に強い眠気を感じないならば、
その人にとって睡眠時間は足りているのです。
無理に8時間の睡眠をとるよりも、すんなりと入眠でき、
ノンレム睡眠の時にしっかりと脳を休ませることができる
態勢を整えることが大事です。
昼間には適度に身体を動かし、夕飯はベッドに入る3時間前
入浴は2時間前までに済ませるよう心がけましょう。
パソコン作業やゲームなどは、遅くとも
就寝1時間前までには終了し、あとはアロマでも焚いて、
極力リラックスすることに時間を費やしてください。