おめでとう!「イグ・ノーベル賞」。今年も日本人が受賞しました
2013年イグ・ノーベル賞は2部門で日本人が受賞
今年も、『イグ・ノーベル賞』の授賞式が行われました。
10部門の受賞者が発表され、化学賞と医学賞は
日本人の研究グループが受賞しました。
これで、7年連続で日本人が
いずれかの賞を受賞してきたことになります。
化学賞は
「たまねぎを切ると涙が出る原因となる酵素をつきとめ」た
ハウス食品の研究グループが、
そして医学賞は
「心臓移植をしたマウスにオペラ椿姫を聴かせたところ、
モーツァルトなどを聴かせたマウスよりも
拒絶反応が抑えられ生存期間が延びた」という
研究成果により帝京大学などの研究グループが受賞しました。
笑えて考えさせられる研究に贈られる
イグ・ノーベル賞は、
本家ノーベル賞のアルフレッド・ノーベルの身内であると
“信じて疑わない”イグネイシアス・ノーベル氏の財産により
1991年に設立されました。
毎年ノーベル賞の発表に先んじて、
名門ハーバード大学のメモリアルホールで
授賞式が行われます。
同じパロディーの賞でも、
毎年アカデミー賞授賞式前夜に“最低の映画”を選んで表彰する
『ゴールデンラズベリー賞」のようなネガティブ(?)
な賞ではなく、ユーモアがあり、
かつ意義深く考えさせられる研究に贈られます。
しかし「笑える」という点に重きを置いているため、
受賞者のスピーチでは笑いを取ることを
強要されるのだそうです。
過去にはこんな日本人受賞者たちも
これまでも、日本人や日本のグループが
数々の賞を受賞してきました。
その中には、あのドクター中松も。
2007年のイグ・ノーベル化学賞受賞者は、
牛の排泄物からバニラの香り『バニリン』を
抽出することに成功した、若干26歳の女性研究員でした。
2003年化学賞の「ハトに嫌われた銅像の科学的考察」は
金沢兼六園内の銅像にハトが何故か寄り付かないことから
研究を始め、カラスよけの合金を開発しています。
資生堂の研究員による
「足のにおいの原因となる化学物質の特定」は、
医学賞を受賞しました。
「たまねぎに泣かされてきたすべての人々にこの賞を贈ります」
今年受賞したたまねぎの研究は、
将来「切っても涙の出ないたまねぎ」の
商品化につながるかもしれません。
たまねぎの催涙成分としては、
既に明らかになっている酵素が存在しますが、
それとは別の新たな酵素を、受賞者である
ハウス食品の研究グループが発見したと発表したのは、
10年以上前の2002年のことでした。
その後の研究で、催涙酵素の働きを止め、
切っても涙の出ないタマネギを作ることに
成功していますが、遺伝子組み換えで作ったので、
また食べた人はいないそうです。
しかし、理論上は遺伝子組み換えをしなくても、
涙の出ないたまねぎを作ることは可能とのこと。
近い将来、もう台所で
涙を流す人はいなくなるかもしれません。
期待せずにはいられませんね。