牛乳は健康に良いというのは本当?牛乳とカルシウムの関係を知りましょう。
母親が牛乳を飲むと、子供の背が伸びる?
昔から、牛乳をたくさん飲むと、
身長が伸びると言われていますよね。
これが本当かどうかはわかりませんが、アイスランド、
デンマーク、アメリカの共同研究で、身長と牛乳には、
少なからず関係性があることがわかりました。
この共同研究は、1988~1989年にデンマークで出産した
809人の女性とその赤ちゃんを対象に、
妊娠中の牛乳の摂取量と
生まれた子供の身長の推移を分析したものです。
その結果、妊娠中に毎日150ml以上の牛乳を
飲んでいたお母さんから生まれた子供は、
平均より身長が高くなることがわかりました。
また、妊娠中に牛乳を飲むと、
血中のインスリン値が高まり、
子供が2型糖尿病になるリスクが低下するそうです。
つまり、妊娠中に牛乳をたくさん飲めば、
子供の身長が高くなるということですね。
牛乳でカルシウム摂取はできる?
牛乳を飲むと、身長が伸びると言われているのは、
牛乳にはカルシウムがたくさん含まれているからです。
カルシウムは骨の形成に欠かせないミネラルですよね。
そのため、カルシウムを摂取するには、
牛乳が適していると言われてきました。
しかし最近の研究で、
牛乳でカルシウムを摂取できるというのは、
間違いだとわかったんです。
カルシウムは、牛乳の乳糖に含まれていますが、
この乳糖を分解するにはラクターゼという酵素が必要です。
しかし、私たちアジア人は、
ラクターゼは乳児期までしか分泌されないのです。
そのため、幼児期以降は乳糖を分解できませんので、
牛乳に含まれるカルシウムは、体内に吸収されず、
そのまま排出されてしまいます。
上記でご紹介した牛乳と身長の関係は、
アジア人にも当てはまるのかは不明です。
さらに、牛乳には脂肪分が多く含まれていますが、
牛乳の脂肪分は飽和脂肪酸ですので、
体内のコレステロール量を増やし、
脂質異常症や動脈硬化を促進します。
また白内障や糖尿病、貧血、視力低下、
自閉症などの疾患と関連性があることもわかっています。
牛乳は健康的な飲み物とされてきましたが、
実は健康に悪影響を及ぼすこともあるんですね。
牛乳を飲むメリットは?
カルシウムも吸収されない、
コレステロールの心配もある牛乳は、
不健康な飲み物なのでしょうか?
牛乳には安眠効果のあるトリプトファンという
アミノ酸が含まれていますので、
リラックスしたいときや寝る前などに
ホットミルクを飲むと、良質の睡眠が得られます。
また、牛乳の栄養成分は、
カルシウムと脂質だけではありません。
たんぱく質やビタミンB群、
マグネシウムやカリウムなども含まれていますので、
決して不健康な飲み物ではなく、
栄養を取ることも十分に可能です。
ただ、適量は守ったほうが良いでしょう。