全世界的な大流行「パンデミック」に最も近い、恐ろしい感染症とは?
パンデミックって何?
感染症などのニュースを見ていると、
時々「パンデミック」という言葉が出てくると思います。
パンデミックってどういう意味かご存知ですか?
パンデミックとは感染症の全国的、
もしくは全世界的な大流行のことです。
最近は、グローバル化が進んでいますので、
全世界的な大流行を指すことが多く、特に死亡率が高く、
危険性が大きい感染症が複数の国や地域に
流行が広がった時に使われる言葉です。
歴史的なパンデミックには、
14世紀にヨーロッパで大流行したペスト、
19世紀から20世紀にかけてのコレラ、
1918~19年に全世界で2500万人の死亡者を出した
スペインかぜ(インフルエンザ)などがあります。
WHOの国際的感染症ネットワークは、
炭疽、鳥インフルエンザ、エボラ出血熱、デング熱、
ペスト、肝炎、クリミア・コンゴ出血熱、天然痘、
黄熱病、重症急性呼吸器症候群(SARS)などの
19疾病がパンデミックを起こす可能性があるとして
警戒しています。
中国の鳥インフルエンザの現状
2013年3月末に中国で
鳥インフルエンザ(H7N9型)が確認されて以降、
夏には一旦収束したように思えましたが、流行が再燃し、
中国本土だけでなく台湾や香港にも拡大してきています。
2014年1月19日現在、
鳥インフルエンザ(H7N9型)の感染者は
合計205人(香港3人、台湾2人を含む)で、
死亡者は54人に達しています。
国立感染症研究所の大石センター長は、
「地理的にも近く、中国と日本の従来者は多いため、
いつ日本に入ってきてもおかしくない」と述べていますし、
厚生労働省はH7N9型を検出できる検査キットを
全国の地方衛生研究所に配布するなど、
国内外での警戒を強めています。
厚生労働省の担当者は、
中国で感染し日本で発症した患者がいても、
その患者を起点に日本国内で
感染が拡大するリスクは低いと見ていますが、
中国本土では新たな型である
H10N8型の鳥インフルエンザが検出され、
感染した患者が死亡していますので、
今後も十分に警戒する必要があります。
MERSもパンデミックの可能性あり
昨年夏ごろに中東地域で流行が拡大した
MERS(中東呼吸器症候群)という感染症を
覚えているでしょうか?
流行拡大当初は、その危険性がニュースになり、
危機感を覚えた人もいたと思いますが、
最近はあまりMERSという言葉を耳にする機会がないため、
忘れていた人も多いでしょう。
MERSがニュースで取り上げられていないといっても、
MERSの流行が収束しているわけではありません。
MERSはジワリと感染が拡大していて、
1月9日のWHOの発表によると、
2012年9月に初めて患者が確認されてから
現在までの感染者は178人で、
死亡者は75人に達しています。
MERSの恐ろしい点は、
家族間など人から人への感染が確認されていることと、
致死率が4割を超えているという点です。
中国での鳥インフルエンザ(H7N9型)とMERSが、
現時点ではパンデミックの可能性が高く、
警戒すべき感染症です。
予防と自衛のためにも、正しい知識を持ち、
最新のニュースを入手するようにしましょう。