眠れない時に羊を数えるのは効果がある?不眠について知りましょう。
不眠=不眠症ではない?
「寝つきが悪い」、「眠りが浅い」、「夜中に目が覚める」、
「眠れない」など睡眠に関して何らかの問題や
悩みを抱えている日本人は、5人に1人もいると言われています。
ただ、「睡眠に問題がある=不眠症」だと思っていませんか?
これは、大きな間違いです。
国立精神・神経医療研究センターの三島部長によると、
不眠を訴えて睡眠専門外来を受診した人のうち、
不眠症と診断されるのは約20%しかいないそうです。
「不眠症」とは、基本的に原因不明で、
不眠がほかの疾患や環境、
精神的なものからの症状ではない状態のことを指します。
つまり、不眠症と診断されない約80%の人は、
何らかの原因または疾患を抱えているということです。
不眠を誘発する疾患の代表例としては、うつ病があります。
うつ病の主症状は抑うつですが、
そのほかに不眠や食欲不振などの症状を伴うことが多く、
うつ病とは思わずに不眠に悩んで医療機関を受診したら、
うつ病と診断されたというケースも珍しくありません。
うつ病以外不眠の原因となる疾患は、
睡眠時無呼吸症候群やむずむず脚症候群などがあります。
このような原因疾患を治療せず、不眠症と誤診して、
不眠だけを治療してしまうと、
原因疾患の悪化につながることがありますので、
自己判断はせずに専門医を受診するようにしましょう。
羊を数えると眠れるのか?
眠れない時は「羊が1匹、羊が2匹・・・」と
羊を数えると良いと聞いたことがあると思います。
この方法は、本当に効果があるのでしょうか?
この羊を数える方法は、イギリスが発祥と言われています。
英語で睡眠はスリープ、羊はシープですよね。
このスリープとシープの発音が似ているため、
「シープ」を数えることで、
「スリープ」への自己暗示をかけていることになり、
羊を数えることで眠りにつきやすくなるのです。
ただ、これはイギリスなど英語圏でのことですので、
日本には適用されません。
日本語では、「眠り」や「睡眠」の発音と
「羊」の発音は全く似ていないので、
眠れないからといって「羊が1匹、羊が2匹・・・」と数えても、
自己暗示はかからず、眠りにつきやすくなることはありません。
快眠のためにできること
羊を数えても眠りにつきやすくなることはありませんので、
不眠に悩んでいる人は、
自分でできる快眠対策を行ってみましょう。
1つ目は寝る前にリラックスタイムを作ることです。
睡眠時は、副交感神経が優位になりますが、
寝る前にリラックスすることで、
交感神経が優位な状態から副交感神経が優位な状態へと
自律神経を切り替えることがことができます。
この時に、蒸しタオルなどで目の周辺を温めると、
さらに効果的です。
目の周りには自律神経に関わるツボが集まっています。
そこを温めることで、
副交感神経が優位になりやすくなります。
2つ目は、朝起きたら日光を浴びることです。
人間の体内時計は何もしなければ
25時間のリズムで動いていますが、
朝に日光を浴びることで体内時計をリセットでき
24時間のリズムを作ることができますので、
毎日同じ時間に眠りにつきやすくなります。
これらの方法を試しても、不眠が改善しない場合は、
専門医の治療が必要であったり、
何らかの病気が潜んでいる可能性がありますので、
早めに医療機関を受診するようにしましょう。