世界の3人に1人が肥満。肥満の多い国の食生活を知って、肥満を予防しましょう。
世界の肥満人口が急増中
世界から100人以上の研究者が参加した
共同国際研究「GBD研究2013」で、
各国の身長と体重のデータを含む調査や論文などから、
世界188ヶ国でBMI値が25以上の
いわゆる肥満の割合を推定した結果、
世界の肥満人口は21億人であることがわかりました。
1980年当時の肥満人口は8億5700万人でしたので、
30年で大幅に肥満人口が増えていて、
世界の3人に1人が肥満であるということになります。
肥満率は20歳以上の男性で28.8%から36.9%に増加、
女性では29.8%から38.0%増加しています。
また、国別の肥満率では男性の1位がトンガで83.5%、
2位以下がサモア(83.0%)、キリバス(76.5%)、
カタール(75.7%)、クウェート(74.5%)となっています。
女性の1位もトンガで肥満率は88.3%、
2位以下がサモア(85.0%)、クウェート(84.3%)、
ミクロネシア連邦(84.2%)、キリバス(81.2%)です。
この結果を見ると、
ミクロネシアやポリネシア諸国と中東のクウェート、
カタールが肥満率の上位を占めていて、
肥満の人が人口の8割以上を占めていることがわかります。
また、肥満の少ない地域は東アジア諸国です。
東アジア諸国の中でも、日本は男女共に肥満率は低く、
男性は28.9%、女性は17.6%となっています。
ミクロネシアや中東諸国の食生活
なぜ肥満の多い国がミクロネシアやポリネシア、
中東諸国に集中しているのでしょう?
それは、食生活と美意識に関係があります。
まずは食生活です。
ミクロネシアやポリネシアの伝統的な食事は
魚や野菜を多用したもので、
中東諸国はヒヨコ豆と野菜を豊富に使ったものが多かったのですが
欧米文化の流入により、ファーストフードが一気に広まりました。
また、彼らも好んでファーストフードを食べるようになりました。
日本のようにファーストフードは広まっても
「時々食べる」というわけではなく、
毎日のように日常的に食べるようになったのです。
次に美意識についてです。
アメリカの情報サイト「Top Tenz. net」によると、
太った女性が好まれる国ランキングの中で10位以内に
トンガ、クウェート、フィジー、サモア、タヒチ、
ナウル共和国とミクロネシア、ポリネシア、
中東諸国が6ヶ国もランクインしています。
この「太っているほうが美しい」という美意識があるため、
肥満率が高いと考えられています。
日本の肥満率が低い理由
日本の肥満率が低い理由は、
やはり食生活と美意識にあると考えられます。
食生活は、欧米式の食生活が進んでいるといっても、
野菜や魚、豆類など様々な食材を使い、
脂分が少なく食物繊維の多い伝統的な和食を食べています。
また、日本ではミクロネシアや中東諸国と違い、
モデルのように痩せている女性が美しいとされてます。
また、男女共に「肥満=健康に悪い」という認識が広がり、
健康に対する意識が高いことも日本の肥満率が低い一因と
言えるでしょう。
ただ、食生活の欧米化が進んでいることは間違いありませんし
それにつれて日本でも肥満率は徐々に高くなってきています。
一度自分のBMI値(体重kg÷身長m×身長m)を計算してみて、
25以上(肥満)になった人は自分の食生活を見直してみましょう。
ファーストフードが肥満に大きく関係していることは、
ミクロネシアや中東の食生活を見れば明らかですので、
ファーストフードを好んで食べている場合は、
控えめにしてみましょう。
また、運動などで健康的に体重を減らして
適正体重にするよう心がけていきましょう。