なんと患者の80%が男性!風疹が空前の大流行で非常事態宣言
患者数急増!風疹「非常事態宣言」も
首都圏を中心に、風疹患者数が急増しています。
過去最悪のペースと言われた昨年(2012年)
の同時期と比較しても、約30倍という異常事態。
神奈川県では非常事態宣言が出されました。
例年、感染のピークは夏であることから、
爆発的な流行となることも考えられ、警戒が必要です。
「子供がかかる病気」というイメージは捨てて
風疹に感染すると、まず発熱がみられ、
赤みの強い発疹が顔や首の後ろに現れて、
やがて全身へと広がって行きます。
リンパ節が腫れて痛みを感じるのも、
風疹の特徴的な症状です。
風疹といえば、
「誰もが子供の頃に必ずかかる」
「風邪より軽い」
といったイメージです。
多くは子供の頃に感染して免疫ができますし、
もし成人してから感染しても、上記のような症状が現れ、
1週間程度で完治するのがほとんどです。
しかし、成人の感染者の一部には、40度近い高熱や血小板の減少、
脳炎の併発といった重篤な症状もみられ、
後遺症を残すこともあります。
また、妊婦が感染した場合、
お腹の赤ちゃんが『先天性風疹症候群』となり、
障害を持って産まれる可能性があります。
よくある子供の病気と油断せず、
このような恐ろしい病気でもあることを認識し、
予防に努めなければなりません。
本当に怖い、妊婦の風疹
妊娠中の女性が風疹に感染した場合に
最も懸念されるのは、胎児への影響です。
特に12週までの妊娠初期で感染した場合、
白内障や難聴といった目や耳の障害や、心臓疾患、
心身の発達の遅れなどがある『先天性風疹症候群(CRS)』
の赤ちゃんが産まれる可能性があるのです。
妊婦は風疹の予防接種を受けることができませんので、
妊娠の可能性がある年代の女性は、抗体検査を受けるか、
改めて予防接種を受けておくことが推奨されます。
家族など周囲の人も接種をしておくと安心です。
20~40代男性に感染者が多い理由
過去最悪のペースで増えている風疹患者の、
その8割は男性です。
しかも大半は20~40代に集中しています。
風疹の集団予防接種は1976年に開始されましたが、
驚くべきことに、最初は女子中学生のみに行われていました。
男女とも1歳過ぎに接種を行うようになったのは1995年からですので、
男子に対しては長い空白期間があり、
現在までに一度も予防接種を受けていない男性が多数存在するのです。
予防接種は大人でも小児科で受けられる
「子供の頃に風疹にかかったことがある」と断言する人達に
血液検査を行ってみると、
約半数が親や本人の記憶違いであったり、
りんご病や麻疹(はしか)など症状の似た病気と間違っていた、
という調査結果があります。
妊娠の可能性がある女性はもちろんのこと、
周囲の人から妊婦にうつしてしまう危険性もありますので、
風疹の罹患歴や予防接種の記録がはっきりとしない場合は、
できるだけ早めに接種を受けましょう。
大人でも、風疹の予防接種については
小児科医が一番詳しいので、まず相談してみましょう。