子宮内膜症の女性も気胸になる?気胸の種類を知っておきましょう。
気胸とはどんな病気?
気胸という病気を知っていますか?
気胸とは、肺がつぶれてしまう病気です。
肺は胸膜という薄い膜で覆われていて、
口や鼻から空気を吸い込むと胸膜の中で拡張し、
空気を吐き出すと、胸膜の中でしぼみます。
これを繰り返すことで、私たちは呼吸をしているのです。
ただ、何らかの原因で肺を覆っている胸膜が破れてしまったら
どうなるでしょうか?
胸膜が破れると、肺に口や鼻という正規のルート以外から
空気が入り込むことになりますので、
肺が拡張することができずに、
正規ルートからの空気の圧力に負けて、
肺がつぶれてしまうのです。
肺がつぶれてしまえば、
肺胞と血管でのガス交換ができなくなりますので、
息苦しくなってしまうのです。
自然気胸とは?
気胸といっても、3つの種類があります。
気胸の中で、最も多いのが自然気胸です。
自然気胸は、「自然」という言葉からもわかるように、
明らかな原因がなく、突然胸膜に穴が開くケースが多いのです。
原因不明の自然気胸は若い男性、
特に痩せていて背が高い若い男性に多く見られますので、
そのような体型の若い男性は、突然息苦しさを感じたら、
自然気胸を疑ったほうが良いでしょう。
緊張性気胸とは?
気胸の種類2つ目は、緊張性気胸です。
自然気胸は病院を受診して、適切な治療を受ければ、
命に関わることはあまりありません。
でも、緊張性気胸は別です。
緊張性気胸はすぐに処置をしないと心停止を招き、
命を落とすこともある危険な病気なのです。
緊張性気胸は自然気胸と比べて、
外部から肺に大量の空気が流れ込むことで、
肺がしぼむだけでなく、
肺から心臓に戻る肺静脈を圧迫してつぶしてしまうので、
血液が心臓に戻れなくなります。
そうすると、血液が流れなくなってしまいますので、
血圧の低下が起こって、
そのまま心停止に至ることになってしまいます。
緊張性気胸は、一刻も早く肺の圧力を解除して、
血液が流れるようにしないといけませんので、
救急車を呼んで救急搬送しなければいけません。
子宮内膜症で気胸になることも
気胸の種類の3つ目は月経随伴性気胸です。
この月経随伴性気胸は、
子宮内膜症の女性に発症する気胸です。
子宮内膜症は子宮以外にも
子宮内膜ができてしまう病気ですが、
この子宮内膜が肺の下部分を支える横隔膜にできると、
子宮内膜が原因で横隔膜に穴をあけてしまうことがあります。
そうすると、そこから肺に空気が入り込むことになりますので、
肺がつぶれてしまうというわけなんです。
女性の気胸はもともと少ないので、
閉経前の女性が気胸になったら、
この月経随伴性気胸の可能性が非常に高くなります。
子宮内膜症の女性が、突然の息苦しさを感じたら、
この月経随伴性気胸を疑って、病院を受診してください。