また一つガンの早期発見につながる朗報が。大腸ガンは血液検査で診断できるようになる!
きっかけが欲しい『大腸内視鏡検査』
このところ、健康への関心の高さを反映してか、
テレビでも健康バラエティのような番組が人気ですね。
番組の中でタレントが人間ドックを受け、
実際に病気がみつかったりして話題を呼んでいます。
女優・長谷直美さんの大腸ガンが発覚したのは
記憶に新しいところでしょう。
大腸内視鏡検査により腫瘍がみつかり、細胞を調べた結果
悪性であると判明しました。
彼女の場合は、このようなきっかけがあって幸いでした。
なんらかの症状があり受診した上での検査でない限り、
いきなり内視鏡検査を受けるのはなかなかハードルが
高いものです。
潜血検査だけではガンを特定できない
現状、健康診断で行われる大腸ガンの検査は、
便潜血検査です。
採取した便に血液が混じっていないかどうかを
確かめる検査で、潜血反応があれば再検査を勧められます。
再検査は大腸内視鏡検査ですので、
なにかあればこの段階で発見されるでしょう。
しかし、痔やちょっとした肛門からの出血でも
反応が出てしまい、潜血反応では何を原因とする
出血なのかを特定することはできません。
再検査は強制ではありませんので、
潜血反応を軽く見て再検査を受けずに、
大腸ガン発見の機会を失ってしまう人も少なくありません。
早期発見に、期待される新しい血液検査
これまでも、大腸ガンの診断に
血液検査を用いることはありましたが、正確さには欠け、
あくまでも補助的な診断方法でしかありませんでした。
今回、三重大学大学院の教授らによって発表されたのは、
血液検査により大腸ガンや大腸ポリープが
高確率で判別できるというものです。
大腸ガンの組織から分泌されるマイクロRNA-21
という物質が、健常者と比較したところ、
大腸ポリープ患者の血液中では約3倍、
大腸ガン患者では約5倍に増加していることが
わかりました。
判別できる確率は、大腸ガンで92%、
大腸ポリープでも82%以上。
0.5mlの血液があれば
約3時間で結果が出るといいます。
大いに実用化が待たれますね。
新検査が実用化されるまでは積極的に内視鏡検査を
大腸ガンは、早期発見さえできれば、
100%に近い確率で治すことのできる病気である
にもかかわらず、毎年多くの患者さんが亡くなっています。
2010年の統計をみると、
女性のガン死トップが大腸ガンによるもので、
男性でも肺ガン、胃ガンに次いで3位となっています。
大腸ガンは、早期では自覚症状がほとんどなく、
気づいた時には進行してしまっているケースが多いのです。
高確率の血液検査が実用化されるのは、
およそ2年後とみられています。
それまでの間は、最も確実な内視鏡検査を積極的に受け、
万が一の場合にも早期発見につなげたいものです。