たこやき粉1グラムあたりに9000匹のダニが!!それまでなかったアレルギーを発症する例も
開封後の粉製品、どうしてますか?
開封した小麦粉やてんぷら粉、
ホットケーキミックスやお好み焼き粉などの保存は、
どのようにされているでしょうか。
袋ごともしくは中身をケースに入れて密封したり、
口を何重かに折って閉じ、クリップなどで留めたりして、
台所の戸棚や引き出しなどで
保存している人が多いのではないでしょうか。
しかし、開封後の粉製品を常温保存するのには、
思わぬ危険がひそんでいます。
一度開封したら、たとえ賞味期限が切れていなくても
常温での長期保存は避けるべきです。
目には見えなくともおびただしい数のダニが!
2011年秋、市販のたこやき粉を開封し
長期にわたって常温保存した後、
調理して食べた女児がアレルギー症状を起こした
という報告があります。
調査の結果、たこやき粉の中にコナヒョウダニが
大量発生していることがわかりました。
このケースでは、たこやき粉1gあたりに
9000匹ものダニが生息していたそうです。
コナヒョウダニは一般家庭の様々な場所に生息し、
ハウスダストアレルギーの原因にもなるダニです。
空気中にも浮遊している、体長0.2~0.4mm程度の
非常に小さなダニですので、
粉製品の袋の口を輪ゴムやクリップで留めている程度では、
簡単に侵入してしまえるのです。
そして、台所のような湿度の高い場所にあると、
ダニは容易に繁殖します。
ダシなどが入って栄養価の高いミックス粉は、
小麦粉単体よりも更にダニの繁殖しやすい条件が
整っているといえます。
恐ろしい「パンケーキシンドローム」
このような粉製品を、
繁殖したダニごと食べてしまったことで起きるアレルギー症状
特にアナフィラキシーショックは、
「パンケーキシンドローム」として
1993年に初めて認識されました。
ダニアレルギーのある人はもちろんのこと、
アレルゲンであるダニを一度に大量に摂取してしまうため
それまでアレルギー症状のなかった人が、
急性の重篤なアレルギー症状を起こす例があります。
ダニを体内に入れること自体が有害なので、
加熱調理してあっても予防にはなりません。
咳やくしゃみ・鼻水、じんましんなどの症状ばかりでなく
ひどい下痢や呼吸困難、意識低下やショック状態などの
全身症状を起こすこともあり、看過できません。
冷蔵庫で保存し、なるべく早く消費する
粉製品は、
開封したらなるべく早く使い切ることが原則です。
それが困難な場合は、
製品に記載されている注意事項に沿って、
正しく保管しましょう。
ダニが繁殖する条件は、
エサと潜り込める場所と温度・湿度です。
ダニは、低温の場所では繁殖することができません。
粉製品自体が、エサと潜り込める場所
という条件を満たしてしまっていますので、
必ず冷蔵庫で保存して、ダニの害を防ぎましょう。