加熱調理しても食中毒になる黄色ブドウ球菌。その予防法を知りましょう。
秋も食中毒に注意!
夏は高温多湿で、細菌が繁殖しやすい環境のため、
食中毒に細心の注意を払っていた人も
多いのではないでしょうか?
夏が終わり秋になると、
食中毒への注意を払わなくなるかもしれませんが、
秋にも食中毒は起こります。
秋は行楽シーズンで、遠足や運動会、バーベキューなど
屋外で食事をする機会が多くなりますので、
秋でもしっかり食中毒対策を行わなくてはいけません。
秋に多い食中毒の原因は、黄色ブドウ球菌です。
通常、食中毒は生ものを避けて加熱調理すれば
安心と言われていますが、黄色ブドウ球菌の場合、
加熱調理しても食中毒になる可能性があるんです。
黄色ブドウ球菌とは
黄色ブドウ球菌は、顕微鏡で見ると、
ブドウの房のように集まっているため、
この名前がついています。
この黄色ブドウ球菌の特徴は、
食品に付着しているだけでなく、
人間の皮膚にも存在しているという点です。
特に、皮膚に傷がある場合は、
傷の部分に黄色ブドウ球菌が繁殖していることが多く、
アトピー性皮膚炎の人は、過去にかきむしって
傷になった部分に常在していると言われています。
黄色ブドウ球菌による食中毒は、
黄色ブドウ球菌自体が食中毒の原因となるのではなく、
菌が作り出すエンテロトキシンという毒素が原因です。
このエンテロトキシンという毒素の厄介な点は、
加熱調理しても分解されないことです。
黄色ブドウ球菌は、加熱することで死滅しますが、
食品内に毒素は残りますので、
加熱調理したものでも食中毒を引き起こすのです。
黄色ブドウ球菌による食中毒は、
潜伏期間が1~5時間(平均3時間)の後、
腹痛や嘔吐、下痢が症状として現れますが、
通常は24時間以内に自然に症状は治まります。
ただ、症状がひどい場合は、
脱水になることもありますので、注意してください。
黄色ブドウ球菌の食中毒予防
加熱しても毒素は分解されないため、
加熱調理の意味がない黄色ブドウ球菌による食中毒は、
どのように予防したら良いのでしょうか?
まず、手や指に傷のある人は、
傷の部分は菌が繁殖している可能性が高いため、
素手で食品を触ったり調理するのは控え、
調理する場合は手袋を着用しましょう。
黄色ブドウ球菌による食中毒の原因は、
もともと食品に菌が付着していることより、
調理時に手指から菌が付着することが多いのです。
また、傷ではない部分の皮膚にも
黄色ブドウ球菌が常在しているかもしれませんので、
調理前には手を入念に洗い、消毒しましょう。
食品の取り扱いに関しては、10℃以下で低温保存すると
もともと食品に付着していた菌の繁殖を
抑制することができますので、生鮮食料品は常温保存せず、
冷蔵・冷凍保存するようにしてください。