動脈硬化の危険性は子供の頃から始まっている?子育ての生活習慣を見直そう
重大な病気につながる動脈硬化
動脈硬化は、何らかの原因で動脈の壁が肥厚し硬くなった
状態のことです。
健康な状態の動脈壁は、弾力があり柔らかいのですが、
動脈硬化になるとその弾力性が失われてしまいます。
動脈硬化の原因は、生活習慣病である高脂血症ですが、
高血圧や糖尿病も動脈硬化のリスクを高めますし、
ニコチンが動脈硬化を促進させることがわかっていますので、
喫煙も危険因子のひとつです。
高脂血症は、コレステロールなどの脂質が血液中に過剰に
存在している状態ですが、血中の過剰な脂質がのり状
(アテローム)になって動脈壁にくっつくことで、
動脈硬化を引き起こします。
そうすると、動脈壁はどんどん厚くなり、血液が流れる
スペースはどんどん細くなりますよね。動脈硬化が進行すると、
動脈壁が厚くなりすぎることで血流を遮断してしまいます。
この血流の遮断が、心臓の冠動脈で起こると心筋梗塞に、
脳の血管で起こると脳梗塞になるのです。
動脈硬化の危険は、子供の頃の生活習慣から?
健康面を気にして生活習慣を見直すようになるのは、30歳代に
なってからという人が多いと思います。
それまでは、「まだ若いから大丈夫」とあまり気にする
こともないでしょう。
でも、動脈硬化の危険は、子供のころからの生活習慣に
関係していることがわかったのです。
アメリカの小児医療センターの10歳から26歳までの
被験者とした研究によると、善玉コレステロール(HDL)に
対する中性脂肪の割合が高いと、血管の老化が早く、動脈硬化の
危険や心疾患の危険が高まることがわかりました。
善玉コレステロールが少なく、中性脂肪が多い子供たちの
生活習慣を調査すると、ジャンクフードや冷凍食品が多い
貧相な食事をしていて、運動の少ない生活をしていたことを
突き止めました。
つまり、子供の頃からの生活習慣が、動脈硬化や心疾患の
リスクと深い関係があるのです。
子供の生活習慣を見直そう
子供の生活習慣が乱れると、血管の老化が早くなるという
調査結果が出ていますが、将来を悲観する必要はありません。
上記の研究者によると、若者の血管の健康は、食習慣を改善し、
適度な運動を始めるようにすると回復するそうです。
自分が不健康な生活習慣を送っていると気づいた時点で、
生活習慣を改めれば、将来の動脈硬化や心疾患のリスクを
下げることができるということです。
2006年の調査によると、約30年前と比べると肥満の
子供の割合は1.5~2倍も増えていて、小学5年生の
10.2%が肥満傾向にあります。
肥満の子供が増えている原因は、生活習慣が乱れていることが
一因であると考えられます。
つまり、将来の動脈硬化や心疾患のリスクが高い子供が
増えているんですね。
大人の生活習慣は自己責任ですが、小学生や中学生の子供の
生活習慣は、保護者が注意しておく必要があります。
将来、自分の子供が動脈硬化にならないよう、子供と一緒に
健康的な生活を送るようにしましょう。