睡眠時間は十分なはずなのに、日中の眠気、倦怠感が消えない・・・「かくれ不眠」にご用心
「不眠症」と診断されていない不眠
いわゆる不眠症であると診断されるのには
「睡眠障害国際分類」という基準が用いられます。
まず、睡眠の質や維持について訴えがあること。
これは、寝つきが悪い、眠りが浅い、
途中で目が醒めるなどといった眠りに関する悩みですね。
そして、それらの訴えが
適切な睡眠環境下において生じていること。
睡眠時間が不規則だったり安眠を得られるような環境で
寝ていなかったりする場合は、これにあたりません。
更に日中に「眠気がある」
「集中力・注意・記憶力に問題がある」など
9項目の機能障害のうち1つでも当てはまるものがあること。
以上の条件が揃って、不眠症と診断されます。
しかし、医療機関で不眠症と診断されていなくても、
睡眠に関するなんらかの悩みを抱えていたり、
または自覚のない睡眠障害を持つ「かくれ不眠」に
相当する人が、その何倍も存在するのです。
自覚のない睡眠障害
「かくれ不眠」とは、睡眠の専門家組織
「睡眠改善委員会」によって名づけられた造語です。
よく眠れない、寝つきが悪い、寝起きに疲れが残っている
などの症状が時々あるけれど、
毎日継続しているわけではないので大丈夫、
と軽くとらえている人。
休日に“寝だめ”をすれば大丈夫と信じている人。
睡眠時間は十分とっているけれど
毎日寝る時間がバラバラという人など・・・。
もしかしたら、日常生活になんらかの支障が出ているのに、
睡眠に原因があることに気付いていないのかもしれません。
このように、不眠症の域には達しておらず、
睡眠に対する認識も低いために、
睡眠障害を改善しようとしていなかったり、
自覚がなかったりする状態を指す言葉が
「かくれ不眠」なのです。
「かくれ不眠」の5つのタイプ。当てはまっていませんか?
<生活不規則タイプ>
仕事の都合などで生活パターンが不規則になり
睡眠が削られているタイプ。
日常生活に支障を感じておらず、
睡眠不足の自覚がないケースが多い。
<自分は大丈夫タイプ>
寝る時間を惜しんで仕事や勉強に励み、
睡眠不足が当たり前になっている人で、
「不眠症」に最も近いタイプ。
<高ストレスタイプ>
睡眠の質や量が不十分なために、
イライラと怒りっぽくなったり無気力になったりと、
心身のストレスが顕在化しているタイプ。
<眠りが浅いタイプ>
毎日規則正しく十分な睡眠時間をとっていても、
眠りが浅くて良質な睡眠になっていないタイプ。
睡眠の質の改善が求められる。
<初期かくれ不眠タイプ>
他と比べて軽度の不眠症状が見られるタイプ。
どれかのタイプに当てはまっていたら
眠ることを意識しすぎると、
今度はそれがストレスになってしまいます。
心身や環境を眠りやすい状態にするよう心がけ、
自然な眠りに導くようにしましょう。
日中は、できるだけ運動する時間をつくります。
食事は、最低でも就寝の2時間前までに済ませ、
ゲーム、パソコン、テレビの類も、
寝る直前まで続けずに早めに切り上げて、
内臓や脳を休ませましょう。
また、徐々に体温が下がっていくことで
眠気を生じますので、
ゆっくりとぬるめのお風呂につかって芯まで温まるのは、
良い睡眠を得るのに効果的です。