睡眠不足は百害あって一利なし!睡眠不足や不眠の人は、快適な睡眠への一歩を踏み出しましょう。
不眠症の分類
ストレス社会と言われる現代において、
「なかなか寝付けない」、
「眠っているはずなのに、日中眠くなる」
などの不眠症に悩む人は増えています。
不眠症は4つのタイプに分けられます。
自分がどのタイプの不眠症なのか、確認してみましょう。
1つ目は、「入眠障害」です。
入眠障害は、ベッドに入ったのに
なかなか眠りに付くことができないというものです。
健康な人の場合、10~15分程度で入眠しますが、
30分~1時間経っても眠れないという人は、
入眠障害の可能性が高いです。
2つ目は、「中途覚醒」です。
中途覚醒とは、夜間に何度も目が覚めてしまうという症状で、
寝室が「明るい、うるさい」等の環境の場合、
中途覚醒が起こりやすくなります。
眠りの浅い高齢者に多く見られる不眠症のタイプです。
3つ目が、「早朝覚醒」です。
早朝覚醒は、思っていた時間よりも
早く目が覚めてしまうことで、
うつ病患者などによく見られる症状です。
中途覚醒との違いは、早朝覚醒の場合、
眠いけれど二度寝できないという点です。
4つ目のタイプが「熟眠障害」です。
熟眠障害は、睡眠時間はしっかり確保できているのに、
眠りが浅いために、日中眠くなってしまうタイプです。
睡眠時無呼吸症候群は、この熟眠障害に分類されます。
かくれ不眠とは?
「かくれ不眠」という言葉を聞いたことはありますか?
杏林大学医学部精神神経科の古賀教授を中心とする
睡眠改善委員会によると、かくれ不眠とは、
「慢性的な不眠ではなく、
専門的な治療をする必要はないけれど、
睡眠に悩みや不満を抱え、日常生活に影響がある。
そんな状態にもかかわらず睡眠の重要性に対して
認識が低い状態」のことです。
自分がかくれ不眠かも?
と思い当たる人も多いのではないでしょうか?
このかくれ不眠は、中途覚醒が原因であることが
睡眠改善委員会の調査で明らかになりました。
中途覚醒は、ストレスが原因で起こることがあります。
ストレスが溜まっていると、
交感神経が優位になりますので、眠りが浅くなってしまい
中途覚醒しやすくなるんです。
かくれ不眠の特徴として、不眠を自覚していながら、
不眠を改善するための行動をとらない
という点があります。
もし、「自分がかくれ不眠かも」と思い当たる人は、
ストレスを溜め込まないようにする、
睡眠環境を整えるなどの改善対策を行いましょう。
不眠は健康に悪影響
不眠が健康に良くないというのは、
皆さんご存知だと思います。
でも、「日中でも眠い」、「疲れが取れない」以外に、
健康にどのような悪影響があるのか
具体的に知っていますか?
睡眠評価研究機構の調査によると、
睡眠時間が6時間以下の人と、10時間以上の人は肥満、
糖尿病、心臓病の有病率が高いことがわかっています。
また、睡眠不足になると、
交感神経が優位に働く時間が長くなるため、
高血圧やうつ病発症リスクも高まります。
さらに、睡眠中は成長ホルモンが分泌されますが、
睡眠不足になると成長ホルモンの分泌が悪くなるため、
老化が進みやすくもなるんです。
また、自治医科大学の研究では、
睡眠時間が6時間以下の人は7~7.9時間の人に比べて、
死亡率が2.4倍も高くなるという結果も出ています。
睡眠評価研究機構の白川代表によると、
「望ましい睡眠時間は6時間半から8時間。
5時間を切る日が続くと、
脳はチューハイを2~3杯飲んだときと同じくらい
機能が低下する」と指摘しています。
睡眠不足は、「百害あって一利なし」ですので、
不眠に悩んでいる人、
「かくれ不眠」かもしれないと思う人は、
そのまま放置するのではなく、
自分の睡眠状況をもう一度見直して、
睡眠不足解消のための一歩を踏み出してみましょう。