日々進化する医療技術。最新の医療ニュースを幾つかご紹介します。
進化する医療
新しい医療技術がどんどん開発され、
医療は進化しています。
2013年に新しい医療として話題になったものは、
新型出生前診断と乳房再建術の保険適用だと思います。
新型出生前診断とは、
従来ダウン症など胎児に染色体異常があるかどうかは
羊水検査でしか確定診断できなかったのに対し、
新型出生前診断は血液検査のみで
染色体異常の有無を診断できるというものです。
2013年4月に35歳以上の妊婦に限定して開始されましたが、
2013年10月には年齢制限がなく、
採血と超音波で診断する新しい出生前診断も
開始になっています。
また乳房再建術は、
以前は乳がんで乳房の全摘出を余儀なくされた場合、
女性のシンボルとも言える乳房がないことを
受け入れられない人が多かったのですが、
乳房再建術が保険適用になったことで、
全摘出後に再建術を希望する乳がん患者が増加していて、
乳がん患者のQOL向上に役立っています。
なめる花粉症薬
出生前診断や乳房再建術の保険適用と言っても、
その対象外で関係のない人は、
医療の進歩と言ってもピンと来ないかもしれませんね。
もっと身近なところで医療の進化を感じることが
できるニュースをご紹介します。
1つ目は、なめるタイプのスギ花粉症薬の承認です。
通常、花粉症がひどい時に飲む薬は抗アレルギー薬で、
花粉症の症状を一時的に抑えるもので、
花粉症そのものを改善するわけではありません。
それに対し、このなめるタイプのスギ花粉症薬は、
花粉の成分を元にした薬で、
口に含んで粘膜から取り込んで、少しずつ体を慣らし、
異常な免疫反応(花粉症)を引き起こす体質を改善するため
花粉症を根治できる可能性があるんです。
従来、花粉症を根治する薬は注射薬のみでしたので、
なめるタイプのスギ花粉症薬は患者への負担が少ない
というメリットもあります。
このなめるタイプのスギ花粉症薬は
2014年1月17日に厚生労働省に承認されていますので、
今シーズンから活躍するかもしれません。
この花粉症薬は、12歳以上が対象で、
治療を2~3年続ける必要があります。
また、アナフィラキシーショックの可能性もありますので、
しっかり管理できることが前提となります。
2~3年は長いと思われるかもしれませんが、
痛みもありませんし、
その後は花粉症に悩まされないと思えば、
続けられそうですよね。
コンタクトで血糖管理?
2つ目の身近な医療の進歩のニュースは、
コンタクトレンズを装着するだけで、
糖尿病患者の血糖管理ができるようになるかもしれない
というものです。
血糖値を測るには、自分の指先に細い針を刺して、
血液を採取する必要がありますが、
この方法だと痛みを伴いますし、何年も続けていると、
針を刺す指先の皮膚が硬くなってきてしまうんですよね。
でも、将来的に血糖値を測るには、
血液が必要なくなるかもしれません。
アメリカのGoogleは、糖尿病患者が装着することで、
涙の成分から血糖値の変化を計測する
医療用コンタクトレンズを開発していることを発表しました。
このコンタクトレンズは、1秒ごとに血糖値をチェックし、
急激な血糖値の変化があった場合は、
コンタクトレンズに内蔵されているLEDライトが点滅して
患者本人に警告するというものです。
この医療用コンタクトレンズの実用化には、
まだ時間がかかるとのことですが、
近い将来、痛みを感じずに血糖値を管理できるように
なるかもしれませんね。