妊娠中の喫煙がもたらす胎児への悪影響について、真剣に考えてみよう
妊娠中期まで喫煙している妊婦は全体の5%も!
妊娠中の禁忌事項はいくつもありますが、
中でも喫煙は絶対NGの筆頭です。
しかし驚くべきことに、
妊娠が判明した時点で喫煙をしていた女性は全体の18%、
なんと5%は妊娠中期になってからも
喫煙を止めなかったという統計があります。
環境省が2013年10月に
妊婦とその夫の各7万名を対象に行った
「エコチル調査」の結果として出た数字です。
夫に至っては、
妊娠判明時に喫煙していたのが約半数の49%で、
妻が妊娠中期に達してもほとんどの夫が禁煙しなかった
と答えています。
実に由々しき問題ですね。
環境が子供に与える影響を考える「エコチル検査」
環境省の「エコチル調査」というのは、
子供の健康と環境に関する全国的な疫学調査で、
2011年にスタートたばかりです。
様々な環境リスクが、
子供たちの健康にどのような影響をもたらすのかを
明らかにするための調査です。
それには「胎児期から小児期にかけての化学物質曝露が、
子供の健康に大きな影響を与えているのではないか」
という中心仮説をたて、検証をしていきます。
最近なら、放射線被爆による健康被害が心配されていますので
各地のデータと健康状況なども解析されています。
若い世代に浸透していない?喫煙の悪影響
胎児期から小児期にかけて、
両親の生活態度は大きく影響します。
中には発育低下、精神神経の発達障害や
先天異常をもたらす場合もあり、
しっかりとした調査に基づいて、
広く呼び掛けていく必要があるのです。
妊婦自身の喫煙や受動喫煙については、
かねてより胎児への影響が問題視されていました。
いまや日本でも禁煙が進み、
以前のようにどこでも自由にタバコが吸える雰囲気では
なくなってきています。
にもかかわらず、妊婦や妊婦の夫の喫煙率が
上記のような数値を示しているというのは、
驚きを禁じえません。
喫煙率は若い世代ほど高く、
胎児に与える害について、浸透していない、
あるいは重要視していないことがうかがえます。
妊娠に気づいたら、両親共に禁煙を!!
タバコの煙には、ニコチン、一酸化炭素、シアン化合物、
鉛など毒性を有する物質が含まれています。
胎児に対して直接有毒であるのと同時に、
妊婦の血管収縮を招き、
胎児の発育不良や流産・早産などの原因となります。
喫煙をしない妊婦の早産率が6%であるのに対し、
1日1箱以上吸う妊婦の早産率は25%に跳ね上がります。
また、出産後もニコチンは母乳中に分泌されますので、
赤ちゃんがニコチン中毒のような状態に
なってしまうことがあります。
妊娠に気づかず喫煙を続けていたとしても、
早めに禁煙することで早産や低体重のリスクは軽減します。
妊娠がわかったら、両親共に直ちに禁煙することが
親としての責任ではないでしょうか。