進化する関節リウマチの治療!関節リウマチは怖い病気ではない?
関節リウマチってどんな病気?
関節リウマチという病気をご存知ですか?
リウマチというと、「関節が痛む病気」
という認識を持っている方は多いと思いますが、
具体的な症状などは詳しく知らないかもしれませんね。
関節リウマチとは、全身の関節に腫れや痛み、
こわばりなどの症状が出て、
病状が進行すると関節の変形が起こり、
関節が壊れていく病気です。
関節リウマチの原因は、
まだ完全には解明されていませんが、
自己免疫に異常が起こることで
関節に炎症が生じる炎症性自己免疫疾患で、
膠原病の一種です。
また、関節リウマチの症状は、
関節の痛みや変形だけではなく、
微熱や食欲減退、倦怠感などの全身症状や、
間質性肺炎などの呼吸器症状や
リウマチ結節などの皮膚症状などが伴う場合があります。
日本の患者数は70~100万人いると推計されていて、
男性に比べて女性が多く、
30~50代が好発年齢となっていて、
厚生労働省の特定疾患にも指定されている難病です。
リウマチ悪化の要因は気圧?
以前から、リウマチによる関節の痛みは、
天気が悪い日や梅雨の時期になると悪化すると
言われていましたが、
あくまで患者さんの主観によるものだけであり、
きちんとした調査データはありませんでした。
ところが、京都大学のゲノム医学センターの研究チームが
関節リウマチの通院患者約2100人の受診データと
気象データとの関係を調べたところ、
気圧が低いほど痛みや腫れの症状がある関節の数が増え、
自覚症状も悪化していたことがわかりました。
特に、3日前の気圧が最も症状に関係しているそうです。
気圧のほかには、湿度も関係していましたが、
気圧ほど明らかな差は見られず、
気温に関しては無関係との結果が出ています。
今回、きちんとした調査が行われて、
気圧と症状に関する統計学的な結果が出たことで、
「医師が信じていない場合もあったが、
疫学的に関連が示されたので、
患者の感覚への理解と共感が進むのではないか」と
研究チームは話しています。
現時点では、なぜ気圧が低いと
関節リウマチの症状が悪化するかはわかっていませんが、
天気とリウマチが関係しているなんて、不思議ですよね。
関節リウマチ治療の最前線
関節リウマチは、
厚生労働省の特定疾患に指定されている難病で、
従来は関節の痛みや変形に対して、
対症療法のみしか治療法がなく、
関節リウマチ自体に有効な薬はありませんでした。
しかし、
ここ10年で関節リウマチの治療は大きく進歩していて、
完解にいたる確率は2000年では10%に満たなかったのに対し
2013年には50%にまで上昇しています。
この治療の進歩は、
抗リウマチ薬メトトレキサートの登場によるものです。
メトトレキサートを
早期から十分な量を使用できることになったため、
関節破壊の進行を遅らせることができるようになりました。
また、10~20年後の予後も予測できるようになったことも
大きなメリットです。
メトトレキサートを使用しても病状が進行する場合は、
生物学的製剤を使用することもできるため、
関節リウマチの治療は大きな進歩を遂げています。
これからは、関節リウマチは怖い病気ではなく、
早期に治療を始めれば、
完解可能な病気という認識になっていくでしょう。