閉経前後で起こる体の変化と注意する病気について知りましょう。
閉経前後のホルモン変化
閉経の平均年齢は50歳前後ですが、
閉経前後では体のホルモンバランスが大きく変わります。
女性ホルモンのひとつに
エストロゲンというホルモンがあります。
エストロゲンは、卵巣から分泌されるホルモンで、
生理に大きく関わっていて、
生理周期ごとに増減を繰り返しています。
エストロゲンの分泌は8~9歳ごろから始まり、
初潮を迎えると分泌が活発になります。
30代半ばまでは活発な分泌が続きますが、
40代に差し掛かると卵巣機能が低下しますので、
徐々に分泌量が減り、生理周期が不規則になっていき、
閉経を迎えます。
このエストロゲンの分泌量の変化によって、
体のホルモンバランスが崩れてしまい、
閉経前後の10年は更年期障害と呼ばれる
体の不調が起こるのです。
更年期障害の症状
エストロゲンの減少によって、
ホルモンバランスが崩れることで起こる更年期障害は、
一種の自律神経失調症のような状態と言えます。
女性の更年期障害の症状の代表的なものは、
ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり)です。
突然顔や体がカーッと熱くなったり、赤くなったり、
暑くないのに大量の汗をかくなどの症状が現れます。
このホットフラッシュは、閉経前後の女性の
40~80%に現れるというデータがあります。
このほか、動悸や頻脈、血圧の乱高下、肩こり、腰痛、
不眠、めまい、耳鳴り、頭痛など身体的な症状のほかに、
抑うつや情緒不安定、イライラ感、ヒステリーなど
精神的な症状も多く現れ、
どのような症状が起こるかは人それぞれで、
症状の強弱は精神的な要素が
大きく関わっていると言われています。
閉経後に注意すべき病気
閉経後に注意すべき病気というと、
骨粗しょう症が思い浮かぶと思います。
エストロゲンは、
骨からカルシウムが溶け出すのを防ぐ働きがありますので、
エストロゲンが減少すると
骨からカルシウムが溶け出してしまい、
骨粗しょう症になってしまうのです。
このほかに最近注目されているのが、閉経後の糖尿病です。
皮下脂肪よりも内臓脂肪が、
糖尿病などの生活習慣病のリスクを上げることは
ご存知だと思います。
閉経前はエストロゲンの働きで、
過剰なエネルギーは皮下脂肪になりやすかったのですが、
閉経後は内臓脂肪に蓄積しやすくなります。
そのため閉経後50代を過ぎて、
突然糖尿病を発症する女性が多いのです。
閉経後に突然太りだしたり、
糖尿病の症状である口渇感が出たりしたら、
今までは糖尿病のリスクを全く指摘されていなかった人でも、
一度病院を受診して、血糖値などの検査をしたほうが良いでしょう。