赤ちゃんが感染すると深刻な合併症を引き起こす百日咳について知りましょう。
百日咳ってどんな病気?
百日咳という病気を知っていますか?
百日咳とは、百日咳菌に感染することで発症する
急性気道感染症で、患者は小児が多く、
百日咳特有の痙攣性の咳発作が特徴です。
感染から治癒まで
約100日(3ヶ月程度)かかり、
主な症状が咳であることから、
「百日咳」という名前がつけられています。
この百日咳は、
日本だけでなく世界中で存在している感染症で、
世界保健機関(WHO)の発表によると、
全世界で年間2000万~4000万人が発症し、
20~40万人が死亡(死亡率1%)しています。
日本では百日咳のワクチン(DPT=三種混合)が
定期接種となっていますので、
患者数は着実に減少してきています。
百日咳の症状
百日咳の主な症状は、痙攣性の咳発作です。
1週間から10日の潜伏期間を経た後、
鼻水や咳など通常の風邪と似たような症状が現れます。
その後、徐々に咳の症状だけが激しくなります。
この時期をカタル期(約2週間)と呼んでいます。
咳込みはさらにひどくなり、
咳発作時には呼吸困難でチアノーゼが起こり、
息を吸うときには「ヒュー」という笛のような音が出ます。
咳き込みすぎて嘔吐したり、
目が充血することもありますが、発熱がないのが特徴です。
この時期を痙咳期(2~3週間)と言います。
その後、徐々に咳は治まりますが、
時折発作性の咳が出ることもあり、
感染からの全経過は3ヶ月程度かかります。
主な治療法は、抗菌薬の投与ですが、
日本の百日咳菌は抗菌薬への耐性を持っているものも多い
という問題点があります。
また、抗菌薬を投与すれば、
他人への感染は防ぐことができますが、
初期症状(カタル期)では風邪との区別がつきにくいため、
百日咳と診断するのが遅れ、治療開始までに時間がかかり、
感染が広がりやすいのも百日咳の問題点のひとつです。
大人の発症が増えている
百日咳の予防は、ワクチン接種が有効です。
日本では乳幼児期に
三種混合ワクチン(DPT=百日咳、破傷風、ジフテリア)
の予防接種を受けますので、小児の患者は少ないのですが、
最近は大人の感染が増加しています。
2007年の成人患者の割合は30.9%でしたが、
2010年には54.9%にまで増えています。
この理由として、ワクチンによる免疫効果は
4~12年程度しかないためです。
乳児~幼児期にワクチン接種をしても、
思春期以降はワクチンの効果がなくなってしまうため、
大人でも百日咳にかかってしまうのです。
大人の場合、百日咳にかかっても、
重症化せずに治癒することがほとんどですが、
他人への感染を拡大させてしまう危険があります。
特に注意しなければいけないのが、
生後6ヶ月未満の赤ちゃんへの感染です。
生後6ヶ月未満の赤ちゃんが百日咳に感染すると、
呼吸困難から脳炎や肺炎など重篤な合併症を起こしやすく、
死亡率も高くなります。
赤ちゃんへの感染を防ぐためにも、
しつこい咳が続くようであれば、
できるだけ早く医療機関を受診するようにしましょう。