ゆっくりよく噛んで食べることは、最も簡単にできる健康法です。
ゆっくり噛んで肥満防止
子供の頃、親や学校の先生に
「ゆっくりよく噛んで食べなさい」、
「早食いはダメ」と言われてきましたよね。
なぜ、ゆっくりよく噛むことが大事で、
早食いは良くないのでしょう?
その理由の1つは、早食いは肥満につながるからです。
脳の視床下部には、満腹中枢があります。
この満腹中枢は、血液中のブドウ糖の濃度が上昇すると、
「もう食べなくてよい」という指令を出します。
この指令が出ると、満腹だと感じて、
食べるのを止める仕組みになっています。
でも、この満腹中枢が働くのは、
食べ始めてから20~30分程度かかりますので、
早食いだと満腹中枢が働き出す前に食べ過ぎてしまい、
肥満につながるのです。
実際に愛知県で行われた疫学調査でも、
早食いの人はBMI値が高い傾向にあることがわかっています。
ゆっくり噛んでダイエット
ゆっくりよく噛んで食べると、
満腹中枢を刺激して食べ過ぎを防止するだけでなく、
食後にエネルギーが消費されやすくなって、
ダイエット効果があることがわかりました。
東京工業大学の研究で、平均25歳の男性10人に
300kcalの固形食品を1回はできるだけ早く食べ、
もう1回はできるだけゆっくり食べてもらって、
その後のエネルギー消費量や血流量を調べたところ、
できるだけ早く食べた場合の消化・吸収のための
エネルギー消費は0.4kcalだったのに対し、
ゆっくり食べた場合は10kcalを消費することがわかりました。
この差は1年間で脂肪1.5kg、
1万1000kcalに相当するとのことです。
このように具体的な数字を見ると、
ダイエットのためにゆっくりよく噛んで食べよう
と思うのではないでしょうか?
ゆっくりよく噛むことは、
最も健康的で簡単なダイエット方法なのかもしれません。
ゆっくり噛んでストレス解消
噛むことはストレス解消にもなります。
噛むこととストレス解消が関係しているなんて、
ちょっと意外ですよね。
ストレス解消やリラックスには、
幸せホルモンと呼ばれるセロトニンを
増加させる必要があります。
セロトニンを増やすには、
リズミカルな運動が効果的なんです。
一定のリズムでよく噛むと、
セロトニンの分泌を促しますので、
よく噛んで食べることはストレス解消につながるんです。
野球選手やサッカー選手が
ガムを噛みながら試合に臨んでいるのは、
余計なストレスを取り除いて、
プレーに集中するためなんですね。
このほかにも、ゆっくりよく噛んで食べることは
消化促進や脳の活発化、虫歯予防などの効果もあります。
ゆっくりよく噛んで食べるのは、
誰でもすぐに始められる健康法です。
今日から、「ゆっくりよく噛むこと」を意識して
食事をするようにしましょう。