子供や高齢者だけではない!高血圧の持病がある人も熱中症になりやすいって本当?
熱中症と塩分の関係
熱中症予防のためには、水分補給だけでなく、
塩分も補給する必要があることは
皆さんご存知だと思います。
汗をかくと体内の水分が不足しますが、
汗には水分だけでなく塩分も含まれているからですね。
熱中症になると、
体内の水分が不足し血液量が極端に減少します。
濃度が高いドロドロ血液になるのです。
血液は体内を循環し、
皮膚に近い毛細血管まで十分な血流があると、
体温調節機能がしっかり働き、余分な熱を放散させたり、
汗をかいて体を冷やすのですが、血液量が少なく、
ドロドロ血液だと循環が滞り、
毛細血管の血流も少なくなりますので、
体に熱がこもりやすくなります。
汗と共に塩分が排出され、
体内の塩分(ナトリウム)が不足すると、
体は体内のナトリウム濃度を一定にするため、
水分を体の外へ排出しようとします。
汗で水分と塩分が不足すると、
さらに水分不足に拍車をかける結果になるんですね。
体内の水分が不足するということは、
血液量が少なくなりますので、体に熱がこもり、
当然熱中症は悪化します。
高血圧の人は熱中症になりやすい?
子供や高齢者は熱中症になりやすいことは有名ですよね。
小さなお子さんや高齢者のご家族は、
外出時や室温調節などに気を配っていると思います。
ただ、熱中症になりやすい人は
子供や高齢者だけではありません。
実は、高血圧の人も熱中症になりやすいんです。
高血圧の人は、塩分制限をしている人が多いですよね。
先ほども説明していますが、
体にはナトリウムと水分のバランスを
保とうとする機能があります。
ナトリウムが多ければ、水分を体に溜め込み、
ナトリウムが少なければその分水分を排泄しようとします。
水分を体に溜め込むと、血液量は多くなりますが、
その分血管壁に負担をかけることになりますので、
血圧は上昇します。
そのため、高血圧の人は塩分制限をして、
体内のナトリウム濃度を低めに保つようにしているんです。
もともとナトリウムが少なめの人が、
汗をかいて塩分を失ってしまうと、
すぐにナトリウム不足に陥り、
一気に熱中症が進むリスクが高いので、
高血圧で塩分制限をしている人は要注意です。
さらに、高血圧の治療には利尿剤を用いることがあり、
水分不足に拍車をかけることもあります。
高血圧の人の熱中症予防
高血圧の人は、
人一倍熱中症予防に努める必要があります。
高血圧の人の熱中症予防は、
何よりも「自分が熱中症になりやすい」ことを
自覚しておくことです。
自覚があれば、暑いとき無理をしなくなりますよね。
また、汗をかいたとき、
水分補給と塩分補給を同時に行えるスポーツドリンクを飲むと
熱中症予防に効果的ですが、
高血圧の人はスポーツドリンク内に含まれる
ナトリウムを気にして、スポーツドリンクではなく
ミネラルウォーターやお茶などを飲む傾向にあります。
でも、水やお茶ではナトリウム補給はできません。
市販のスポーツドリンクには100mlあたり
30~50mgのナトリウムが含まれていますが、
仮に100mlあたり50mgのナトリウムが含まれている
スポーツドリンクを500ml飲んだ場合、
塩分摂取量に換算すると、
たったの0.635gの塩分を摂取しただけの計算になります。
1g未満であれば、食事での調整が可能ですよね。
それで熱中症のリスクを低下させられるなら、
スポーツドリンクを飲んだほうが良いと思いませんか?