牛乳は健康に良い飲み物?悪い飲み物?牛乳を飲むことで得られる効果とは?
牛乳が体に悪いと言われる訳
つい最近まで、牛乳は健康に良い飲み物とされていましたが、
ここ数年で牛乳はそれほど体に良くない、
むしろ体に悪い飲み物という認識が広がってきました。
牛乳が体に悪いと言われる一番の理由は、
カルシウムが摂取できないことがわかったためです。
牛乳にはカルシウムが豊富に含まれているので、
牛乳を飲むとカルシウムを摂取できる、
骨が丈夫になるというのは常識でしたよね。
でも、日本人の場合は
幼児期以降は牛乳のカルシウムを吸収できなくなるんです。
牛乳の分解にはラクターゼという酵素が必要です。
日本人は、このラクターゼが幼児期以降に消えてしまうため、
牛乳のカルシウムが吸収できないのです。
これ以外にも、「牛乳を飲むと骨粗しょう症につながる」、
「アトピーや花粉症と因果関係がある」などの説がありますが、
これらは科学的根拠があるわけではなく、
牛乳乳製品健康科学会議や大学教授などは
この説を否定しています。
牛乳でアルツハイマーを予防
では、牛乳は本当に体に悪いのでしょうか?
健康に良い飲み物ではないのでしょうか?
確かに、牛乳からはカルシウムを摂取できませんが、
牛乳でアルツハイマーを予防することができるんです。
アルツハイマーは認知症の1つで、
65歳以上の10人に1人がかかる病気と言われています。
アルツハイマーはその人の健康寿命や
QOLに大きく関わるものですが、
まだその治療法や予防法は確立されていません。
久山生活習慣研究所と明治の共同研究で、
久山町に住む60歳以上の1081人を
牛乳や乳製品を摂取する量によって
4つのグループに分けて17年間追跡調査したところ、
牛乳や乳製品を取る量が多くなればなるほど、
アルツハイマー病になるリスクが低いことがわかったんです。
また、牛乳や乳製品を摂取する量が多いほうが
知的能力が低下しにくいこともわかっています。
なぜ牛乳がアルツハイマー病のリスクを低下させるかは、
まだ解明されていませんが、この結果を見ると、
牛乳は決して体に悪い飲み物ではなく、
むしろ健康に良い飲み物であることがわかりますよね。
牛乳で生活習慣病を予防
牛乳が予防してくれる病気は
アルツハイマー病だけではありません。
牛乳は生活習慣病も予防してくれるんです。
まずは、がんです。牛乳は胃がん、大腸がん、
乳がんのリスクを下げることが疫学調査でわかっています。
牛乳に含まれる脂肪分が乳がんの発生を
抑制するという動物実験結果も出ていますし、
牛乳を飲む量が増えると、
大腸がんの発生リスクが下がるという調査報告もあります。
また、牛乳は脳卒中のリスクを下げるという
厚生労働省の調査結果もありますし、
乳製品の摂取量が増えると痛風のリスクが下がる
というアメリカの調査結果も出ています。
やはり、牛乳はカルシウムを吸収できなくても、
健康に悪い飲み物ではなく、健康に良い飲み物なんですね。