赤ちゃんを激しく揺さぶってはダメ!赤ちゃんの脳に深刻な損傷を与える『乳幼児揺さぶられ症候群』
子育ては楽しいことばかりではない
妊娠・出産の大事業を経て、赤ちゃんが家にやってきた
新しい生活は、喜びや発見に満ちた素晴らしいものです。
しかし、まだ体力も回復していないお母さんにとって、
決して楽しいだけの毎日ではないはず。
どうして泣いているのか、いつになれば夜泣きが終わるのか、
おっぱいの飲みが悪い、
他の子と比べて成長が遅いような気がする…
悩みや疑問は尽きず、ストレスがたまることもあるでしょう。
そんな時、泣き止まないわが子をあやしながら、
つい扱いが乱暴になってしまうこともあるかもしれません。
子育ては出口のない闇ではないのです。
赤ちゃんを強く揺さぶってしまうその前に、
わが子に与えるかもしれない悪影響を、
一つ深呼吸して思い出してみて欲しいのです。
豆腐を入れた器を激しく振るようなもの
最初はあやす延長なのでしょうが、泣き止まない赤ちゃんに
つい感情的になって、強く揺さぶってしまうことがあります。
その行為が、
赤ちゃんの柔らかい脳や目などに大きな
ダメージを与えてしまう「乳幼児揺さぶられ症候群(SBS)」
の件数が近年増加傾向にあり、
虐待のひとつとして問題視されています。
赤ちゃんを縦抱きにしたまま、前後に大きく揺さぶると、
まだ自分の頭を支えることのできない赤ちゃんの頭蓋骨内では
脳が激しく動きます。
そのため、頭蓋骨の内側に脳が打ちつけられたり、
血管や神経が引きちぎれたりといった損傷を受けてしまいます。
その衝撃の強さは、脳や眼底を検査してみると、
まるで交通事故にあったかのような出血が
何ヶ所も見られることからもわかります。
赤ちゃんを激しく揺さぶってしまった後、元気がなくなる、
ぐったりしている、反応が鈍くなる、
昏睡に陥るなどの症状がみられたら、
脳に何らかの損傷を負った可能性があります。
損傷の部分や程度によっては、四肢障害や歩行困難、
言語障害、失明などの非常に重い障害が残り、
寝たきりになったり、死亡に至る最悪のケースも何件も起きています。
必ずしも理由があって泣いているとは限らない
事態を重く見た厚生労働省は、揺さぶられ症候群の
予防へつなげるために、泣き止まない赤ちゃんへの
適切な対処法を啓発するDVDを作成しました。
赤ちゃんは、お腹がすいたりおむつが濡れたり、
眠いのに上手く眠れずにぐずっていることもあります。
でも、何も要求がなくても、具合が悪くなくても、
泣くことがあるのが赤ちゃんなのです。
何をしても泣き止まないのは親のせいばかりではなく、
赤ちゃんとはそういうものなのだと知ることで、
自制心を失わず、赤ちゃんと向き合えるように
という対策として、このDVDを市町村などに配布し、
子育て前のパパママ教室などで活用してもらう狙いです。
手を尽くしてもどうしても泣き止んでくれなくて、
ついカッとなりそうな時には、
赤ちゃんを安全な場所に寝かせ思い切ってそばを離れ、
隣の部屋にでも行ってしまうのも一つの手だと言います。
音楽を聞いて気分転換したり、窓を開けて深呼吸したり、
少しの間なら気の置けない友達に電話をして、
話を聞いてもらうのもいいかもしれません。