突然発症する大人のアレルギー。自己診断ではなく、医師に相談しつつライフスタイルを見つめ直そう
大人のアレルギーは突然やってくる
毎年、春が来てもなんともなかったのに、
ある年突然花粉症を発症したという話はよく聞きますが、
花粉症ばかりでなく、
大人になってから様々なアレルギー症状を発症するケースが
増えているのです。
それまでアレルギーとは無縁だったために、
正しい診断に時間がかかってしまい、
症状を進行させてしまうことも。
一度発症すれば非常に治りにくい
「大人のアレルギー」の実態は
どのようになっているのでしょうか。
果物を食べて口の中がピリピリする
大人のアレルギーの代表的なものに
「口腔アレルギー症候群」があります。
ハンノキやシラカンバにアレルギー反応を起こす人は、
似たようなアレルゲンを持つリンゴやモモ、サクランボ、
キウイなどバラ科の果物で交差反応を起こすことがあります。
これらを食べた時に口の粘膜がピリピリしたり、
喉の奥がかゆくなるような症状があったら、
口腔アレルギー症候群を発症しているのかもしれません。
食物アレルギーと言うよりは、花粉症に連鎖して起こる
アレルギー症状と見るべきなのですが、
必ずしも先に顕著な花粉症症状が出ているとは限らず、
アレルギー反応と気づきにくいのが特徴です。
子供のアレルギーとここが違う
大人になってから発症するアレルギーは、
口から食べた物ではなく、皮膚や鼻の粘膜などから
体内に入った物質がアレルゲンとなるケースが多いのです。
インフルエンザなどの予防接種は、
卵を使ってウイルスを培養するので、
卵アレルギーがある人は摂取できないことになっています。
しかし、これまで卵を食べてアレルギー反応など
起こしたこともないし、インフルエンザの予防接種は
過去に何回も受けているという人が、
予防接種後にひどい発疹などの症状に見舞われ、
検査をしてみると卵(卵白)のアレルギーだった、
というようなことがあります。
現代社会と大人のアレルギー
アレルギーの発症は、よくコップの水に例えられます。
少しずつでも注ぎ続ければコップの水は溢れるように、
アレルゲンとなる物質が体内に取り込まれて
少しずつ抗体を作り、容量の上限を超えた時に
アレルギーは発症します。
そのコップの大きさは人によって異なり、
もちろん一生容量オーバーにならない人もいます。
近年になって大人のアレルギーが増えているのは、
抗体の生成を促すような生活環境に置かれていることに、
大きな原因があると考えられます。
公害や食品添加物、ストレスの多い人間関係、
密閉性の高い住居やオフィス、運動不足など、
アレルギー発症のトリガーは私達の生活に
数多く存在しているのです。