私の好きな香りで、誰かが体調を崩している・・。香り長持ちの『高残香性柔軟剤』、使い過ぎには気をつけて
近年増加している柔軟剤の香りによる体調不良
洋服が汗で湿ったり、布地を軽く叩いたりすると、
香りが復活するタイプの柔軟剤が売れ行き好調です。
中には柔軟剤ですらなく、
洗濯時に香りをつけるためだけの製品も登場し、
各メーカーがしのぎを削っています。
ところが、と言うべきか、やはり、と言うべきか、
このような高残香タイプの柔軟剤などの強い香りで、
体調不良を訴える人が増えているという
報道がありました。
以前より、海外メーカーの柔軟剤などで、
香りが強すぎて近くにいると気分が悪くなる、
などという苦情の声が上がっていました。
香りは、ある人にとっては心地よいものでも、
別の人には耐えられない苦痛にもなり得るもの。
香りを楽しむには、
それなりの配慮が必要なようです。
工場排水と同程度の臭気?
柔軟剤の香りによる体調不良は、
頭痛、吐き気、倦怠感など。
電車やバスのような密閉空間、
毎日同じ人と会う勤務先、
お隣の洗濯物の香りが漂ってくるベランダ・・・。
その人にとっては不快なニオイをかがされていれば、
気分も悪くなるというものでしょう。
2011年に神奈川県が行った調査では、
市販されている柔軟剤を
洗濯の時と同じ濃度に薄めた香りの臭気指数が、
住宅地での工場排水の規制値と
同程度だったとのことです。
「フローラルな香り」「柑橘系の香り」
などと謳っていても、ニオイの強さそのものは、
相当にきついものです。
流行の高残香性柔軟剤には
「香りをもっと楽しみたい時は、
好みに合わせて使用量を増やしてください」
などと記載された製品も多く、
一昨年の調査時より更に臭気指数が高くなることは
想像に難くありません。
鼻はニオイに順応する
よそのお宅へ遊びに行った時に、
その家特有のニオイを感じることがありますが、
しばらくお邪魔していれば、
いつの間にか気にならなくなってしまうものです。
鼻が慣れる、もしくは疲労すると言い、
それが好きな香りの場合、もっと嗅ぎたい、
と物足りなくなってしまうのです。
また、嗅覚は五感の中でも個人差が大きい感覚で、
好き嫌いも大きく分かれますし、
ニオイによって敏感に反応したりそうでなかったりが、
人によって異なります。
香りもマナーと心得よう
いい香りなのだから、
他の人とっても心地よいに違いない、
と思うのは大きな間違いで、
香りの問題はとてもデリケート。
それに加え、柔軟剤の香りは化学物質を
組み合わせた人工香料ですので、
化学物質に対する過敏症の人は、
香りそのものよりも化学物質に反応して
体調を崩してしまいます。
自分は香りに麻痺していないか、
時々香りを変えるなどして確かめながら、
何事もほどほどを心がけましょう。