未成年飲酒は、百害あって一利なし!未成年飲酒が及ぼす悪影響とは?
若年性認知症と未成年飲酒は関係あり?
若年性認知症とは、65歳未満で発症する認知症のことで、
40歳以降で発症する人が多く、
現在日本では3万8000人の患者がいると推測されています。
この若年性認知症の原因は、明らかになっていませんが、
スウェーデンのウメオ大学の研究チームが
アメリカの医学誌『米国医学会雑誌』に
発表した研究によると、
未成年期の飲酒が若年性認知症の発症リスクを
上げる可能性があるそうです。
この研究は1969年9月から1979年12月の期間に、
平均年齢18歳のスウェーデン人男性
48万8484人を対象に行われたもので、
研究結果から若年性認知症発症のリスク要因9つが特定され、
その中で最大のリスク要因はアルコールの乱用だったことが
明らかとなったのです。
アルコールの乱用以外のリスク要因には、
脳卒中、薬物乱用、うつ病、低身長、父親が認知症、
高血圧などが挙げられています。
未成年飲酒の身体への影響
日本では、未成年の飲酒は法律で禁じられていますが、
なぜ「お酒は20歳から」なのでしょう?
それは、飲酒することで、
未成年に様々な悪影響を及ぼすからなんです。
未成年は、身体の機能も未熟であり、
発達段階にありますので、
アルコールの影響を受けやすいという特徴があります。
脳が発達している時期に飲酒すると、脳細胞を破壊して、
脳を萎縮させてしまう可能性があります。
また、二次性徴に必要なホルモン分泌を阻害してしまい
男子はインポテンツ、
女子は生理不順や無月経の原因にもなるんです。
さらに、未成年は肝臓の働きが未完成で、
アルコールの分解作用も不十分ですので、
急性アルコール中毒になりやすく、
肝臓を酷使することで肝硬変や脂肪肝のリスクも上がります。
アルコールは骨格へも影響を及ぼし、
成長期に多量に飲酒すると、骨の成長が遅くなり、
低身長の原因になることもあります。
未成年飲酒の精神面への影響
未成年飲酒のもたらす弊害は、
身体的なものだけではありません。
精神的な弊害ももたらすんです。
精神面への影響の代表的なものは、アルコール依存症です。
未成年は飲酒に対する自己規制が難しく、
飲酒開始年齢が若ければ若いほど、
アルコール依存症になりやすいと言われています。
アルコール依存症は、
自分の意思で飲酒を止めることができず、
日常生活を送るのが困難になってしまいます。
また、治療をせずに放っておくと、
肝硬変や食道静脈瘤破裂などで
死にいたることもある病気です。
アルコール依存症以外にも、
未成年の飲酒は学習意欲が低下したり、
怒りっぽくなったりと精神面への様々な悪影響があるんです。
未成年の飲酒は、百害あって一利なしです。
子供には、未成年飲酒の怖さを教えると共に、
周囲の大人が注意して、
子供が飲酒をしない環境を作っていく必要があります。