アトピー性皮膚炎はなぜ起こる?アトピー性皮膚炎の原因を知りましょう。
アトピーはなぜ起こる?
アトピー性皮膚炎に悩んでいる人は多いですよね。
厚生労働省の調査によると、
アトピー性皮膚炎の患者さんは45万人以上いるとされています。
これは、病院を受診した患者数ですので、
病院を受診するまでには至らないような人を含めると、
もっと患者数は多いと考えられています。
アトピー性皮膚炎はなぜ起こるのでしょうか?
アトピー性皮膚炎が発症するには、
3つの素因が関係しています。
1つ目は、アレルギーの病気を持っていることです。
本人がぜんそくやじんましん、
食物アレルギーなどのアレルギーを持っていると、
アトピー性皮膚炎を発症しやすくなります。
本人だけでなく、家族がアレルギーを持っていることでも、
発症リスクは上がります。
2つ目は、体質です。
アトピーは免疫物質
「IgE抗体を作りやすい」体質を持っていると、
アトピーの発症リスクが高くなります。
3つ目が皮膚のバリア機能です。
アトピー性皮膚炎の人は、
皮膚のバリア機能が低下しやすいのです。
皮膚の天然保湿因子の1つである
フィラグリン遺伝子に異常があると、
皮膚が乾燥しやすくなります。
乾燥肌になるとかゆみが起こりやすいですし、
皮膚のバリア機能が低下すると、
アレルゲンが入りやすくなるのです。
アトピーの環境要因
アトピー性皮膚炎は、
先ほど紹介した3つの素因に環境要因が加わることで、
発症します。
アトピー性皮膚炎を発症させる環境要因には、
様々なものがあります。
代表的なものは、特定の食物やダニ、ホコリ、
カビ、花粉、動物の毛などですね。
これらのものは、アレルゲンになります。
アレルゲンが体内に入ると、IgE抗体を作って、
皮膚に炎症が起こり、アトピーの症状が出てきてしまうのです。
また、アレルゲン以外の刺激でも、
アトピー性皮膚炎が悪化することがあります。
アトピーを悪化させるアレルゲン以外の刺激には、
自分の汗や衣服の摩擦、皮膚の乾燥、化粧品などがあります。
これらは、皮膚のバリア機能が低下することで、
炎症を起こして、アトピーを悪化させることがあるのです。
アトピーは大気汚染でも発症する?
アトピーを引き起こすアレルゲンには、
先ほど紹介したように食物やダニ、ホコリ、カビ、
花粉、動物の毛などがありますが、
大気汚染もアレルゲンになることがわかりました。
東北大学大学院の医学系研究科の山本教授らの研究グループは、
大気汚染物質が原因でアトピーを引き起こすメカニズムを
解明したと発表しました。
大気汚染の原因物質であるダイオキシンが、
皮膚の表面で「AhR」というタンパク質と結合すると、
神経を成長させるタンパク質である「アルテミン」が生成されます。
このアルテミンはかゆみを引き起こして、
皮膚のバリア機能を壊して、
アトピー性皮膚炎を引き起こすというのです。
食物やダニ、ホコリ、カビ、花粉、動物の毛などのアレルゲンは、
日常生活の中でも気をつけていれば、
何とか排除することができますが、
大気汚染は個人の力で排除することができません。
この研究をきっかけに、
大気汚染によるアトピーの発症を抑えられる薬や方法が
開発されるのを待つしかないですね。