薬の副作用による健康被害には救済制度がある!覚えておこう『医薬品副作用被害救済制度』
薬の副作用で入院!あなたならどうしますか
あなたが、病院で処方された薬を
指示通りに服用したにも関わらず、
何らかの副作用に悩まされる結果になったとしたら、
どうしますか?
副作用の度合いにもよるでしょうが、
もし入院が必要となるような
重い症状に見舞われたとしたら、
なんらかの障害が残ってしまったら・・・。
医師や製薬会社を相手どっての訴訟という道もありますが、
時間と労力がかかり、ましてや健康面に
問題のある身では大変な負担となるでしょう。
重篤な副作用には公的救済制度がある
そのような被害者に対して、
迅速な救済を行うための公的制度が
『医薬品副作用被害救済制度』です。
各製薬会社からの拠出金を財源として運営されています。
この制度によって、医療費や障害年金などの給付を
受けることができるのです。
救済の対象となるのは、入院治療が必要となる、
あるいは日常生活が著しく制限されるような
重い症状がある場合と、
患者が死亡した場合とされています。
薬の用法・容量を守り、使用上の注意に沿って
適正に使用したにもかかわらず、
健康被害があったケースに限ります。
その他にも、抗がん剤などによる副作用については
対象から除外されています。
(法定予防接種による健康被害は、
この制度については対象外ですが、
国による救済制度があります。)
給付の種類と給付額一例
給付は以下の7種類に分かれています。
●入院治療を必要とする程度の健康被害の場合
(1)医療費(2)医療手当
●日常生活が著しく制限される程度の障害の場合
(3)障害年金(4)障害児養育年金
●死亡した場合
(5)遺族年金(6)遺族一時金(7)埋葬料
給付額の一例としては、
医療費は自己負担分が全額給付されます。
障害年金は、
1級=日常生活の用を自分ですることができない場合、
年額270万円、
2級=日常生活に著しい制限を受ける場合、
年額216万円が給付されます。
周知不足で救済されるべき人が見過ごされている
しかし、せっかくのこの救済制度は、
認知度が低いためにまだまだ利用者が
少ないのが現状です。
運営元の独立行政法人医薬品医療機器総合機構の
調査によれば、
この救済制度を「知っている」と答えた人は
わずか5.3%。
「聞いたことがある」という回答と合わせても
20%にしかなりませんでした。
副作用がゼロという薬はありません。
それは処方薬に限らず、
薬局で販売されている市販薬でも同様です。
医薬品による健康被害は思いのほか身近に存在し、
どんな人にでも起こりうるものなのです。
給付金のうち、医療費と医療手当、遺族年金には
請求期限が5年と定められていますので、
期間が過ぎてからでは役立てることが
できなくなってしまいます。
いざという時のために、この救済制度のことを
頭の片隅においておきたいものです。