『やけど虫』を知っていますか?体長約7ミリ、黒と琥珀色の混じったアリのような虫は「触るな、危険!!」
あまり知られていない「絶対に触れてはいけない虫」
梅雨があけ一気に気温が上がると、
色々な虫が顔を出し始めます。
小バエや羽アリが家の中に入り込んできたり、
お米や豆類などの食品につく虫も増えてくるので、
対策が必要になってきます。
中でも、非常に厄介で危険性の高い虫が、
アオバアリガタハネカクシ、通称『やけど虫』です。
名前に“アリガタ”とつくように、
その姿は小さめのアリによく似ています。
体長は6~7mm、アリのように黒一色ではなく、
体色に琥珀色(アメ色、オレンジに近い茶色)が
混じっていたら要注意。
咬んだり刺したりして攻撃してくる訳ではありません。
しかし、決して触れてはいけませんし、
潰すのはもってのほかです。
体液が付着しただけで驚くほどひどい症状に
この小さな虫は、
水田や川原などの多湿な場所を好みますが、
住宅地や公園などにも生息しています。
夜間、灯りに集まる習性があり、体が細いため、
網戸を抜けて家の中に侵入してくることも。
皮膚炎を起こさせるのは、
体液に含まれるペデリンという物質で、虫を潰さなくても
皮膚にとまられただけで体液が分泌されることがあります。
皮膚に体液が付着すると、
約2時間後にかゆみなどの症状が出始めます。
やがて患部が赤く腫れ、
火傷をした時のようなひどい水ぶくれを生じます。
痛みも火傷のように強く、なかなか治まりません。
体液が目に入ると失明の恐れもあり、非常に危険です。
落ち葉や石の裏などにもよく付いています。
外遊びの多い子供さんには、
よく話してきかせてあげてください。
もし、やけど虫に触ってしまったら
やけど虫には、1にも2にも触らないこと。
家に入ってきたら、普通の殺虫剤が効きますので
噴射して仕留めるか、
潰さないように外に出すようにしましょう。
万が一触ってしまったら、
まずはきれいに洗い流すことが先決です。
しかし、体液が付着してから症状が出るまで、
タイムラグがあるため気づきにくく、
発症してしまうことも少なくありません。
その場合は、自分で治療しようとせず、
なるべく早く皮膚科を受診するのが得策です。
というのも、病院で処方される
強めのステロイド剤を使用しても、
完治するのに1週間から10日を要する皮膚炎ですので
常備薬ぐらいでは治らないことが多いのです。
放置すれば更に治りにくく、
キズが一生残る場合もあるといいます。
多く発生するのは6~8月。しばらくは細心の注意を
今年は、既に鹿児島県で発生し、
多くの患者が受診しているというニュースがありました。
例年と比べても被害が多く、
しかも最も多く発生するのは梅雨入りから
夏にかけての季節ですので、この先まだまだ注意が必要です。