虫歯が原因で死亡することも!虫歯治療の最新情報をご紹介します。
虫歯の原因は?
虫歯の原因は、口の中にいる細菌です。
虫歯を引き起こす主な細菌は、
ストレプトコッカス・ミュータンスです。
口腔内の細菌と食物残渣や唾液が混ざると
プラーク(歯垢)となり、歯の表面に付着します。
細菌はプラーク内の糖質を分解して、
酸を作り出しますが、
この酸が歯の表面のエナメル質を溶かしていきます。
これが、虫歯の初期段階です。
この虫歯の初期段階では痛みは感じません。
エナメル質を溶かした酸が、徐々に象牙質に達すると、
冷たいものがしみたり、
噛んだ時に痛みを感じるようになります。
虫歯が進行すると?
歯医者が苦手で、少しくらい痛みがあっても、
我慢してしまうという人はいませんか?
「たかが虫歯」と思い、
虫歯を放っておくと取り返しのつかないことに
なりかねません。
最近、イタリアのシチリア島の18歳の女性が、
歯の炎症が肺に転移し、
その後敗血症に移行して死亡した
というニュースがありました。
虫歯から敗血症になり、死に至ることもあるんですね。
虫歯から敗血症に至るメカニズムをご説明します。
まず、虫歯の原因は細菌が作り出す酸ですが、
酸は歯の表面のエナメル質を溶かし、
そのまま内部の象牙質、歯髄まで溶かしていきます。
虫歯なると歯に穴が開くのはこのためですね。
そして、穴の開いた歯の中で細菌が炎症を起こし、
歯髄炎を引き起こします。
歯髄炎になると、激しい痛みが生じますが、
それでもそのまま放置しておくと、
炎症は歯の部分だけではなく、
顎の骨の中にまで拡大します。
顎の骨に炎症が達すると、
骨髄の中を通る血液に細菌が侵入し、
血流に乗って全身に細菌が広がっていきます。
血液内に細菌が侵入した状態が菌血症(敗血症)であり、
全身で感染が起こることで、ショック状態に陥り、
多臓器不全となって死に至るのです。
虫歯の最新治療
虫歯は放っておいてはいけないとわかっていても、
どうしても歯医者は苦手、
特にあの歯を削る時の「キーン」という機械音が
ダメという人は多いですよね。
でも、虫歯の治療法はどんどん進歩していて、
最近では削らない治療法も出てきているんです。
虫歯の最新治療をご紹介します。
まずは、ヒールオゾンです。
ヒールオゾンは、オゾンによって虫歯菌を殺す方法で、
初期虫歯の場合は、削らずに治療が可能です。
また、カリソルブという治療法が
2007年に認可を受けています。
カリソルブは、薬剤を塗布して、
虫歯になった部分だけを溶かす治療法です。
2011年には、数十秒~数分レーザーを照射するだけで、
虫歯のや歯周病の原因菌を完全に死滅させる
ヒドロキシルラジカル殺菌法が開発され、
今年の10月から東北大学病院などで治験が行われ、
2~3年で実用化される見通しです。
現在の歯科治療は、
「できるだけ痛みを感じさせない」、
「削るのは最小限、できるだけ温存」
という治療方針になっていますので、
少しでも歯の痛みや違和感を感じたら、
できるだけ早く歯科を受診しましょう。
また、定期健診に通うことは、
虫歯予防のためには重要です。