牛レバーだけでなく豚レバーも生で食べるのは危険!E型肝炎について知りましょう。
E型肝炎とは?
ウイルス性肝炎というと、
「A型肝炎」、「B型肝炎」、「C型肝炎」の3つが有名だと思いますが
E型肝炎という病気を聞いたことがあるでしょうか?
E型肝炎も名前からわかるとおり、
A型肝炎、B型肝炎と同じようなウイルス性肝炎です。
E型肝炎ウイルスに感染すると、
2~9週間(平均6週間)の潜伏期間の後に、
急性肝炎を発症します。
急性肝炎の症状は黄疸、倦怠感、食欲不振、
発熱、悪心、腹痛などが自覚症状として現れ、
また検査でトランスアミラーズ値の上昇など
肝機能の悪化や肝腫大などが出てきます。
E型肝炎による急性肝炎は、
安静にしていることで治癒することが多く
慢性化したり、肝臓がんへ移行することもありません。
また、若者の場合は症状が現れない不顕性感染が多いのですが、
急性肝炎から劇症化するリスクはあります。
特に、妊娠後期にE型肝炎になると、劇症化するリスクは高く、
妊婦が劇症肝炎になると死亡率が20%と高くなりますので
注意が必要です。
また、高齢者も重症化しやすいという調査結果が出ています。
E型肝炎の感染原因
E型肝炎の感染経路は、A型肝炎同様に経口感染ですので、
E型肝炎ウイルスに汚染された食べ物や水を口にすることで
感染します。
今までは、E型肝炎はアジアやアフリカなどの
発展途上国に渡航した人が、
現地の不衛生な状況の中で感染するというケースが多く、
日本でのE型肝炎は発展途上国から持ち帰る病気という病気でした。
でも、近年になって海外への渡航歴のない人がE型肝炎に感染したり
日本に住み着いたE型ウイルスが存在することがわかり、
日本でもE型肝炎に感染するリスクがあることが
明らかになりました。
生のレバー類を食べるのは止めましょう
日本でE型肝炎に感染する原因は、豚やイノシシ、
鹿などの肉やレバーを生で食べることです。
2003年には鳥取県でイノシシのレバーを
生で食べた人が劇症肝炎で死亡、
福岡県でイノシシ肉を食べた人がE型肝炎を発症、
兵庫県で鹿肉を食べた人がE型肝炎を発症する
という事例がありました。
また、2012年に腸管出血性大腸菌による
食中毒のリスクがあることから
牛のレバーを生で食べることが禁止になってから、
牛レバーの代わりに豚レバーを
生で提供する飲食店が増えたのですが、
そのことが原因でE型肝炎に感染する人が増加しました。
そのため、2014年6月からは飲食店で
豚レバーを生で提供することが禁止となっています。
ただ、これは飲食店でのみの適用となり、
家庭では禁止となっていません。
豚肉は寄生虫の危険もありますので、
しっかり加熱してから食べることが広く知られていますが、
豚レバーに関しては、まだまだ加熱調理の必要性の認知が
広まっていないのが現状です。
E型肝炎ウイルスは、加熱することで感染性を失いますので、
豚肉だけではなく豚レバーを食べる時は、
しっかり中心部まで加熱してから食べるように徹底しましょう。