注目されている地中海料理の効能を、科学的なデータで検証してみましょう。
今話題の地中海料理って何?
以前は、「健康的な食事」と言えば和食でした。
世界的にも和食はヘルシーな料理として人気があります。
和食は野菜や豆類、魚類が主流で、
低カロリー低脂質ながら、
良質なタンパク質や食物繊維、ビタミン、
ミネラルを豊富に摂取できるというメリットがあるんです。
でも、和食には1つだけデメリットがあります。
それは塩分が多いことです。
日本人は世界的に見ても高血圧の人が多いのですが、
それは和食に塩分が多いからと考えられています。
そして、最近和食に代わってヘルシーな料理として
注目を集めているのが地中海料理です。
地中海料理とは、
その名の通り地中海沿岸の地域である
南ヨーロッパや北アフリカで良く食べられている料理です。
オリーブオイルやナッツ類、魚介類、豆類、
緑黄色野菜や果物を豊富に使うことが地中海料理の特徴です。
地中海料理が健康に良い理由を挙げてみます。
1つ目は緑黄色野菜や果物をたくさん食べることで、
ポリフェノールやβカロテンなど抗酸化作用の高い
ファイトケミカルを摂取できることです。
2つ目は不飽和脂肪酸をたっぷり取れることです。
オリーブオイルやナッツ類からはオレイン酸を、
魚介類からはEPAやDHAを摂ることができます。
オレイン酸やEPA、DHAは、血液をサラサラにし、
悪玉コレステロールを減らして
動脈硬化を予防する作用があります。
また、ハーブ類を多用して塩分を控えること、
主食のパスタはGI値が低く糖尿病になりにくいこと、
ポリフェノールが豊富な赤ワインを
少量飲む習慣があること、豆類や野菜類、
きのこ類で食物繊維を豊富に摂っていることなども
地中海料理が健康に良いとされる理由です。
地中海料理で生活習慣病の予防
では、地中海料理は本当に健康に良いのか、
科学的なデータで見てみましょう。
イタリアのフィレンツェ大学の研究によると、
健康的な食材を豊富に使う
理想的な地中海料理に近い食事を取っている人ほど、
心臓病やがんにかかるリスクが減少することがわかりました。
また、病気にかかった場合は、
食生活を地中海料理に切り替えると、
循環器系の病気による死亡リスクを9%、
がんによる死亡リスクを6%低下させることができるそうです。
地中海料理は認知症も予防できる?
そして、スペインのバルセロナ臨床病院の研究チームは、
地中海料理を食べていた高齢者は認知機能が改善した
との研究結果を発表しました。
この研究は平均年齢66.9歳の高齢者を、
オリーブオイルを増量した食事を食べるグループ、
ナッツ類を増量した食事を食べるグループ、
低脂肪食を食べるグループの3つに分けて、
それぞれの認知機能の変化について調べました。
その結果、オリーブオイルを増量したグループは
低脂肪食のグループに比べて、
理性や思考を司る前頭葉の機能や脳全体の認知機能がアップし、
ナッツ類を増量したグループは
記憶力がアップしたことがわかったんです。
つまり、オリーブオイルと
ナッツ類を増量した食事=地中海料理を食べれば、
前頭葉や脳全体の機能と記憶力をアップさせ、
認知症を予防することができるというわけです。
地中海料理に多い魚介類、豆類、緑黄色野菜や果物は
和食の中でもたくさん使いますよね。
ですから、普段の食生活の中にオリーブオイルと
ナッツ類を取り入れるように心がけてみてはいかがですか?