入浴は実は危険がいっぱい?安全に入浴するための方法を知りましょう。
入浴時はヒートショックに注意
入浴は血行促進効果やリラックス効果、
冷え性予防効果などがありますので、
健康に良いものなのですが、
一歩間違えると命を落とすこともありますので注意が必要です。
入浴で命を落とす原因になるのはヒートショック現象です。
ヒートショック現象とは、急激な温度変化によって、
血圧が急上昇・急降下し、心筋梗塞や脳梗塞、
不整脈を起こすことです。
冬の入浴は、
暖房が効いた暖かい部屋から寒い脱衣所で服を脱ぎ、
暖かいお湯に浸かりますので、
血管が一気に拡張・収縮を繰り返し、心臓に負担をかけます。
冬に入浴中に心肺停止を起こすリスクは、
夏に比べて10倍以上高く、
2011年には入浴中にヒートショック現象で
心肺停止を起こした人は1万7000人にも上るとされています。
脳貧血で転倒?
入浴中は、温度差によるヒートショック現象だけでなく、
脳貧血による転倒にも気をつけなければいけません。
入浴中は座っていますよね。
座っているときは、立っているときよりも、
重力に逆らう必要がなく、全身に血液を送り届けやすいので、
血圧は低めになります。
また、温かいお湯に浸かっていると、
体温が上昇し、血管が拡張しますので、
さらに血圧が低めになるんです。
そのような状況から、立ち上がって湯船から出ようとすると、
血圧が低いために、脳への血流が少なくなり、
脳貧血の状態になるんです。
湯船から立ち上がったときに、
立ちくらみがしたことはありませんか?
あれは、脳の血液が不足して、脳貧血を起こしているためです。
立ちくらみ程度であれば、
その場でじっとしていればすぐに回復しますが、
ひどい場合は意識がなくなり、転倒する可能性もあるんです。
風呂場で転倒すると、頭を強く打つ可能性が高いですよね。
もし、頭を強く打ったら、そのまま意識を失い、
湯船の中で溺れることもあります。
溺れなくても、頭を強く打てば、
硬膜外出血などの頭部外傷を起こすリスクがありますので、
脳貧血には注意しなければいけません。
安全な入浴法は?
では、安全に入浴するにはどうすれば良いのでしょうか?
まず、入浴前には水分補給をしっかりしておきましょう。
入浴中は汗をかきますので、血液がドロドロになります。
血液がドロドロになれば、
心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすくなりますし、
血液量が少なくなりますので、
血圧が下がりやすくなりますので、
必ず水分補給をしてから入浴するようにしましょう。
そして、ヒートショック現象を予防するには、
温度差を少なくするために脱衣所や浴室を暖めておいたり、
湯船には一気に入らず、
手足の末端部分から少しずつかけ湯をし、
ゆっくり全身をお湯に浸けるようにしてください。
脳貧血を防ぐためは、湯船から立ち上がるときは、
ゆっくりと立ち上がるようにしましょう。
そして、少しでもクラクラしたら、その場でしゃがみ、
症状がなくなるまで動かないようにすると良いですよ!
健康に良い入浴だからこそ、安全に入浴ができるよう、
今日から入浴前に水分補給をし、温度差を少なくして、
湯船からはゆっくり立ち上がるなど工夫していきましょう。