お酒は本当に百薬の長?飲酒とがんの関係を知りましょう!
飲酒でがんのリスクが上がる?
お酒は百薬の長と言われていて、
適量であれば健康に良いとされていますね。
毎日のように晩酌でお酒を飲んでいる人も
いるのではないでしょうか?
でも、お酒はがんのリスクを上げることがわかっています。
「どうせ、肝臓がんのリスクでしょ?」
と思うかもしれませんが違います。
確かに、アルコール性脂肪肝から肝硬変、
肝臓がんという流れもありますが、
それ以外のがんのリスクを上げるのです。
しかも、肝臓がんよりも
アルコールの影響が大きいがんがあるのです。
フランスのパリで開かれた「世界がん会議」での報告によると、
アルコールと最も関連性があるがん、
アルコールで発症リスクが高くなるがんは乳がんなのです。
乳がんは、アルコールが原因の全がん症例の中で
25%以上を占めているそうです。
その次に、アルコールで発症リスクが上がるのは大腸がんで、
アルコールが原因の前がん症例の23%を占めていたそうです。
飲酒は肝臓がんのリスクを上げるものの、
それ以上に乳がんや大腸がんのリスクを大幅に上げるのです。
飲酒で食道がんの再発リスクがアップ?
飲酒で乳がんや大腸がんのリスクを大幅に上げることが、
世界がん会議で報告されましたが、飲酒が関係しているのは、
乳がんや大腸がんの発症だけではありません。
食道がんの再発にも関係しているんです。
京都大学の武藤教授らの研究チームは
早期食道がんの患者さん330人の追跡調査をしたところ、
がんが発見された後に禁酒をした患者さんは、
飲み続けている人に比べると、
別の部位に食道がんが発生するリスクは53%抑制され、
異型上皮(がんの前身)が食道内に多発している患者では
77%も抑制されることが分かったんです。
つまり、禁酒すれば食道がんが再発するリスクを
大幅に低下させることができますが、
食道がんが判明した後もお酒を飲み続ければ、
食道がんが再発するリスクが高くなるということになります。
本当にお酒は百薬の長なのか?
ここまで、飲酒とがんの関係性をお話してきました。
ここまで読んできた人は「お酒は本当に百薬の長なのか」
という疑問を持つと思います。
今のところ、
お酒は適量なら健康に良いとされていますよね。
厚生労働省によると、
日本の疫学研究では46~69g以上の飲酒は、
がん全体の死亡リスクを高めることがわかっています。
また、適量は20gとしています。
これは純アルコール換算なので、通常のお酒に直すと、
ビールなら500ml程度、日本酒なら1合、
ウイスキーはダブルで1杯となります。
ただ、これが適量だからと毎日飲むのはNGです。
これらの量を守りつつも、休肝日は設けるようにしましょう。
また、できれば習慣的に飲酒をするのではなく、
「機会があれば飲む」程度、
たしなむ程度にしておくと良いと思います。