年々医療費の膨れ上がる日本。もっと真剣にジェネリック医薬品を考えよう。
増え続ける日本の医療費
少子高齢化の進む日本では、
医療費の増大が深刻な問題となっています。
更に、高度な先進医療が確立され、
新薬の開発が進んだことで、
医療費の増加に拍車がかかっています。
2010年度の国民医療費総額は
37兆円4202億円にのぼり、
過去最高を4年連続で更新しました。
この金額、実に国民所得の1割以上を医療費が
占めていることになります。
このまま右肩上がりで増え続ければ、
日本の医療費は10年後には50兆円を超える試算です。
ジェネリック医薬品が安価な理由
ジェネリック医薬品とは、特許期間が終了した新薬と
同じ成分の薬を、他の製薬会社が製造販売するもので
「後発薬」とも呼ばれています。
新薬を世に出すためには、多くの研究、メカニズムの解明、
小動物などを使った試験、そして実際に患者を対象とした治験
などのプロセスを経て、ようやく厚生労働省の承認を得ます。
この期間が平均で9年、
そして500億円近くの莫大な費用がつぎこまれます。
その点、ジェネリック医薬品は、
もう既に安全性や効果が認められた成分を使用するので、
開発期間や費用は先発薬と比べて格段に少なくて済むのです。
ジェネリックは個人の医薬品代が安くなるばかりではない
使用されている新薬のうち、可能なものをすべて
ジェネリック医薬品に切り替えると、
年間約1兆4000億円が削減できるといいます。
国の方針として、ジェネリック医薬品が推奨されるように
なりましたが、現状、ジェネリック医薬品の使用される割合は
まだ25%程度です。
新薬と同等の効果や安全性を証明するために、多くの試験をパス
しているのですが、いまだ不安を抱く患者も少なくありません。
また、病院によっては自動的にジェネリック医薬品を処方して
くれますが、患者側から申請する必要がある場合が多く、
普及の足かせとなっています。
こうやってジェネリック医薬品を処方してもらおう
安価なばかりでなく、ジェネリック医薬品には
先発薬の欠点を改良して発売されるという利点もあります。
味や大きさが飲みやすいように改善されたり、
開けにくいパッケージが工夫されたりと、
患者に優しい医薬品となっているのです。
使ってみたいと思ったら、まずは医師に相談してみましょう。
可能であれば、処方箋にジェネリック医薬品の名称を
記入してくれます。
もしくは、先発薬の名称が記入されていても、
「後発医薬品への変更不可」欄に医師がサインをしていなければ
薬剤師と相談してジェネリック医薬品に変更することも可能です。
なんとなく口では言い出しにくいという人は、
「ジェネリック医薬品希望カード」というものがありますので、
病院の受付時に提示するか、
処方箋と合わせて調剤薬局に提示するとよいでしょう。
協会けんぽや自治体で配布している他、
日本ジェネリック医薬品学会のホームページから
ダウンロードすることもできます。