エアコンの使用を控える「節電熱中症」が増加。これからの季節、熱中症対策として気をつけることは?
梅雨明けには患者数急増
熱中症は、どの季節でも起こりえますが、
やはり気温が上昇し始めると、
救急搬送される患者が急増します。
2013年は、既に5月27日からの1週間だけで、
全国で230人が熱中症で搬送されました。
これから梅雨が明けて気温が上がると、
さらに患者は増える見込みです。
毎年7月だけで約2万人が熱中症により救急搬送されており
炎天下など暑さが顕著な場所や時間帯ばかりでなく、
室内や夜間においても発生しています。
今年、政府は7月を熱中症予防強化月間として、
民間企業などと連携し、クールビズの推進や
水分補給を心がけるといったことを、
広く呼びかけると決定しました。
特に、救急搬送される患者のうち、
半数近くを高齢者が占めているため医療機関や介護施設を
通じて呼びかけ・注意の喚起を徹底することとしています。
高温多湿な環境下で、体温のコントロール機能を失う
人間は、通常36~37℃程度に体温を維持しています。
暑い時には、自律神経の働きにより抹消血管を拡張させて
多くの血液を皮膚に行き渡らせ、
外気への熱伝導で体温を外気に発散させたり、
たくさんかいた汗が蒸発することで、
体温を低下させたりと自ら調節を行っています。
しかし、気温が高すぎてその調節が追いつかない、
湿度が高すぎて汗が上手く蒸発されない、
水分補給が充分に行われていない、
激しい運動などにより体内に次々と熱が生産される、
など体内の水分・塩分バランスが崩れるような
悪条件が重なると、熱中症を起こしてしまいます。
重症化すれば生命に関わる
熱中症は、めまい・立ちくらみ、頭痛、大量発汗
などの時点で気付けば、
応急処置をして安静にしていれば回復します。
しかし、気付かぬうちに急速に進行している場合が多く、
重症化すればけいれんや意識障害を起こし、
最悪の場合、死に至ります。
体温が上がっていたり、顔が赤い、汗を異常にかく
又は暑いのに全くかかないなどの症状を見逃さず、
早めに応急処置を行いましょう。
とにかく涼しい場所に移動させて衣服を緩め、
水分補給をさせます。
わきの下、首筋など大きな動脈が通っている場所を、
氷嚢や保冷剤などを使って冷やし、
冷えた血液が身体を廻ることによって
体温を下げるのが非常に有効です。
過度の節電に注意
震災後、日本中が節電の傾向にあります。
夏場、電気使用量のピーク時には電力不足が懸念され
エコの観点からも節電は必須ですが、
2011年夏の熱中症による死亡者数は、
前年比で約4倍にも増えてしまいました。
特に高齢者は、体温調節機能が低下しているにも関わらず
電気を浪費することに罪悪感を覚えるのか
エアコンを極力使わないようにする人も多く、
周囲からの呼びかけがとても重要になってきます。